米国 Red Hat は、オープンソースソフトウェアで10億ドル超えの売上を達成した企業だ。その Red Hat CEO である Jim Whitehurst 氏が、オープンであることがイノベーションの鍵だと考えていたとしても、不思議ではない。

【Red Hat Summit】Red Hat CEO:「クラウドで、オープンソース以外から登場したイノベーションはない」
米国ボストンで6月11日から開催されている「Red Hat Summit」において Whitehurst 氏は、オープンであることは、単なるマーケティング上のスローガンではなく、現在の IT 企業が生き残るための唯一の方法だと述べた。

「Red Hat が、クライアントサーバー時代から、クラウドソーシャル時代への移行に対応できたのは、オープンコラボレーションのおかげだ。クローズドモデルでは、企業は顧客が何を欲しているのかを自分たちだけで調査し、その変化に、社内のリソースだけで対応しなければならない」

Whitehurst 氏は、現在のパラダイムでは、多くの人々の知恵を集めることが可能な場所でのみ、イノベーションが生まれると主張する。同氏によれば、昨年もしくは一昨年のどこかで、IT 業界は変曲点を迎えたという。それ以降、伝統的なプロプライエタリな世界からよりも、オープンコミュニティから、より多くのイノベーションが生まれるようになった。

「オープンソースに対する批判には、オープンソースからは、今ある技術を改良するだけの『インクリメンタルイノベーション』しか生まれない、というものが多い」

たしかに、オープンソース時代の初期には、インクリメンタルイノベーションは普通のことだった。例えば、多くの人は Linux を UNIX のインクリメンタルイノベーションだと考えていたし、MySQL もそう思われていた。

だが、クラウドの登場以降、コアなイノベーションは、ひとつの例外を除いて、すべてオープンソースから登場していると Whitehurst 氏は主張する。

「クラウドで、オープンソース以外の場所から登場したイノベーションはない。Microsoft の Azure 以外には」

Red Hat CEO である Jim Whitehurst 氏
Red Hat CEO である Jim Whitehurst 氏

なぜ、今なのか?

ではなぜ、オープンソースがイノベーションの中心になりえたのだろうか?ブロードバンド接続が一般に広まったことが大きいと、Whitehurst 氏は述べた。

「多くの人々によるコラボレーションを可能にする技術が、やっと登場した。それは、広いバンド幅を提供する、ネットワークインフラだ」

もはやコストだけではない

オープンソースと言えば、コストと結びつけられて考えられてきた。オープンソースとは、プロプライエタリなアプローチに対する、安価な代替品であると思われてきたからだ。

だが、オープンコラボレーションは、複数の競合するベンダーがコアな機能性については協力し、サポートやサービスなどの付加価値部分で競争しあうという、新たなイノベーションモデルを生んだ。

「戦略的なユーザーは、コストを理由にオープンソースを導入をしているのではない。オープンソースが、機動性に富んでおり、柔軟だから導入しているのだ」

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、InternetNews.com の主任編集者。