日本 IBM は、アプリケーション処理の特性に応じて瞬時かつ自動で最適にシステム資源を配置する新コンピューティングモデル「Software Defined Environment」(SDE)などを発表した。

主な内容は、既存環境を変更せずにネットワーク全体の管理を仮想化/自動化する「IBM  Software Defined Network for Virtual Environments VMware Edition」(SDN VE)、アプリケーションの優先度に応じて自律的データ配置を最適化するストレージソフトウェア「IBM System Storage Easy Tier Application」(Easy Tier Application)。

また、「IBM Storwize ファミリー」製品の機能拡張や、プライベートストレージ クラウド環境構成ソフトウェア「IBM SmarterCloud Storage Access」(SCSA)の開発意向も発表した。

SDE では、IT 資源やデータを一元管理し、処理の特性に応じて、ポリシーベースで柔軟かつ自律的に資源配備を行うことができる。

SDN VE はネットワークをソフトウェアで制御するフレームワーク。既存の物理スイッチ網上に集中管理型の仮想ネットワークを構成し、ビジネス要求に応じて、ネットワークの構成や設定を動的に変更できる。数百台以上の物理スイッチがある既設 IP ネットワーク環境でも、拠点をまたがるデータセンター間でも、統合管理できる。

ネットワーク分野はサーバー/ストレージに比べて仮想化が遅れており、通信状況に応じた構成や経路変更には人的作業が発生していたが、SDN VE では、あらかじめ定義した優先度に従い、これらの作業を自動化できる。

SDN VE の最小構成価格は、1ソケットあたり2万2,100円(税別)で、6月21日から出荷を開始する。

日本 IBM、ネットワークを仮想化/自動化する SDN VE などを発表
SDN VE(Software Defined Network for Virtual Environments)

ストレージでは、アクセス頻度に応じたデータの自動階層化機能「IBM System Storage Easy Tier」(Easy Tier)を強化し、ストレージ資源活用の最適化とアプリケーション処理性能の向上を図る。

たとえば、アプリケーションの優先度に応じて適切なストレージ階層にデータを自動配置する「IBM System Storage Easy Tier Application」(Easy Tier Application)機能は、ハイエンドストレージ「IBM System Storage DS8700」に適用できる。ユーザーは業務の優先度など、非機能要件を事前に定義すれば、ビジネス要求に即した最適なストレージ環境を自律的に構成できる。

Easy Tier と、アクティブデータのリアルタイム圧縮機能「IBM Real-time Compression」の両機能は、「IBM Storwize ファミリー」のミッドレンジストレージ「IBM Storwize V7000」とストレージ仮想化製品「IBM SAN Volume Controller」(SVC)で、同時に利用できるようになった。

これにより、データを最大80%圧縮しながらストレージを自動階層化できるため、ストレージコストを最適化し、データ管理を効率化するとともに、システム環境全体の処理性能を向上できる。

たとえば、V7000 の管理下に、高速で集積率の高いフラッシュストレージ「IBM FlashSystem ファミリー」や他のストレージ装置を配置し、Easy Tier と Real-time Compression を同時適用すれば、実物理容量以上のデータをフラッシュストレージに収容でき、高速ストレージ資源を有効活用しながら、データ量を削減して転送時間や処理時間を短縮できる。

また、IBM Storwize ファミリーのエントリーストレージ「IBM Storwize V3700」では、エントリーレベル製品としては初めて Easy Tier が利用できるようになった。拠点間でデータをコピーできるリモートミラー機能も追加された。

遠隔コピー機能は IBM Storwize ファミリー間で互換性があり、遠隔地に設置した V3700 と他の IBM Storwize 装置間でデータを複製できるので、有事にも早急な事業回復を図ることができる。