2004年8月に Mark Shuttleworth 氏が登録したバグ番号1番の Ubuntu バグ「Microsoft が市場シェアの大半を握っている」のステータスが、修正済みに変更された。

Ubuntu のバグ「Microsoft が市場シェアの大半を握っている」が「修正済み」に ― だが、本当に修正されたと言えるのか?
Ubuntu バグ1番「Microsoft が市場シェアの大半を握っている」

Shuttleworth 氏はバグ詳細で、このバグについて次のように説明していた。

「Microsoft がデスクトップ PC 市場で、シェアの大半を握っている。これは、Ubuntu とその他のプロジェクトが修正しなければならないバグだ」

Shuttleworth 氏がこのバグを登録してから8年余りが経過し、"市場"自体が変化した。埋め込み型デバイスやポータブルコンピューティングが登場し、中でも Android スマートフォンやタブレットが普及したことで、Microsoft はもはやパーソナルコンピューティング市場を支配しているとは言えない状況になっている。

Shuttleworth は5月30日、バグコメント1834 で次の提案をした。

「Android は Linux の第一選択ではないかもしれない。だが Android が、実用的な面でも、経済的な面でも、利用者と IT 業界に対して多くの恩恵を与えているオープンソースプラットフォームであることに疑う余地はない。オープンソースはいまや、パーソナルコンピューティングの世界で競争力と存在感の両方を持ち合わせたものになった。

Ubuntu はこの変化に対して、わずかな役割しか果たせていない。だが、変化が起きていることを認識するのは、我々にとって重要なことだ。Ubuntu としては、このバグをクローズしたい」

Ubuntu 創始者である Mark Shuttleworth 氏
Ubuntu 創始者である Mark Shuttleworth 氏

私は Microsoft が、かつてほどの力を持ってはいないという点では、Shuttleworth 氏に賛成だ。だが、このバグが修正されたという点には、まったく同意できない。

現実を見てみよう。世界中どこに行っても、コンピューターショップで販売されている PC の大半には、Microsoft Windows がプリインストールされている。Windows 8 から導入された Secure Boot 機能により、Windows を搭載しない PC の状況は、2004年時点よりもむしろ悪くなっているとさえ言えよう。2004年であれば、私はコンピューターショップで好きな PC を買い、それに Linux をインストールできたのだ。だが、いまはできない。

Shuttleworth 氏による、「任務完了」宣言は、まだ早すぎる。

Shuttleworth 氏の提案には、多くの「Declined(拒否)」コメントが寄せられている
Shuttleworth 氏の提案には、多くの「Declined(拒否)」コメントが寄せられている

変化が起きているのは確かだが、それは PC そのものが凋落傾向にあるというだけの話だ。PC の世界で、Linux が Microsoft の支配を打ち破ったことなど、まだ一度もない。スマートフォンやタブレットの世界では、Android という Linux が勝利を収めつつあるけれども。

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、InternetNews.com の主任編集者。