セコムは、照明環境に依存することなく、患者の顔色や患部の色を忠実に再現できる「モバイル遠隔診療システム」を開発したと発表した。

モバイル遠隔診療システムは、音声・映像通話を利用し、医師などが患者とやり取りしながら診療に必要な視覚情報を確認できるシステム。部屋の明るさや照明の種類に依存することなく、忠実に患者の顔色や患部の色を再現できるという。医師と患者は、それぞれ同システム対応端末/専用ツールで利用できる。

セコム、新遠隔診療システムを開発--患者の肌・患部などの色を忠実に再現
「モバイル遠隔診療システム」利用イメージ

同システムによって医師は、患者宅の照明の影響を排除した、正しい色合いの患者の患部などの画像を見ることができるほか、診療結果を電子カルテに記録し、過去の診療結果や過去の画像と比較可能。また、すべてのデータを同社の「セキュアデータセンター」に保管できる。さらに、同社独自の顔認証技術を電子カルテと連動させることで、患者本人のカルテを確実に表示し、患者の取り違い防止につなげることができるという。

一方患者は、小型で軽量の専用ツールを使用することで、同システムを利用する医師などとのやり取りが可能。

専用ツールは、無線通信が可能でバッテリーを搭載するため、インターネット回線や電源は不要。また、医療知識や専門技術を持たない家族やヘルパーといった非医療従事者でも容易にセットアップできる。これにより、医師や看護師が訪問しなくても、患者は質の高い診療を受けることが可能だという。

同社によると、現在65歳以上の高齢者人口は3,000万人を超え、訪問看護サービスの利用者数は約38万人にのぼると言われている。また、病院の在院日数が短縮化傾向にあり、退院後の療養や経過観察などを行うため、訪問診療や訪問看護などの在宅医療の需要が急速に高まってきた。このような背景を受けて、医師の直接対面によらない遠隔診療の普及が期待されているという。だが、これまでの遠隔診療技術では、患者の自宅の照明環境がさまざまであり、忠実な肌の色を再現できないことが課題としてあった。

なお同社は、今回開発した色再現技術を監視カメラに活用し、洋服や髪の色を用いた迷子の自動検索や、車体の色による盗難車輌の認識などのセキュリティニーズへの応用も進めるという。