米国 Mozilla は5月14日、Firefox 21 をリリースした。この新しいバージョンでは、利用者のプライバシーを向上させる機能が複数追加されている。だが新機能の1つ「Firefox ヘルスレポート」については、プライバシーを侵害するものと捉える人もいるかもしれない。

■ Firefox ヘルスレポート

Firefox 21 で目玉となっている新機能には、「Firefox ヘルスレポート」がある。これは、Firefox の利用状況が自動的に Mozilla に送信される機能だ。Mozilla は入手したデータを Firefox のパフォーマンス向上に活用すると述べている。

この機能は、デフォルトで「有効」に設定されている。これは、Firefox 21 をそのまま利用すれば、その情報が Mozilla に送信されることを意味する。

Mozilla が Firefox 21 リリース ― セキュリティ機能は向上したと言えるのか?
Firefox ヘルスレポート

Mozilla の Firefox エンジニアリング VP である Johnathan Nightingale 氏は InternetNews.com に対し、利用者はこの機能を簡単に「無効」に設定できると説明した。

「データを Mozilla に送信したくない利用者は、ヘルスレポートを『無効』に設定できる。これは、『Firefox ヘルスレポート』画面からも、オプション画面の「データの選択」タブからも可能だ。利用者は、レポートの送信を無効に設定した場合でも、ブラウザの利用状況を自分で確認することはできる」

Firefox ヘルスレポートは、オプション画面からも無効に設定できる
Firefox ヘルスレポートは、オプション画面からも無効に設定できる

■ Do Not Track の詳細設定が可能に

Firefox は以前から Web サイトに対しトラッキングの拒否を通知する機能を搭載していた。Firefox 21 ではこの機能は拡張され、利用者は3つのオプションを選択可能になっている。「トラッキングの拒否をサイトに通知する」「トラッキングの許可をサイトに通知する」そして「トラッキングに関する設定は一切サイトに通知しない」だ。

トラッキング設定画面
トラッキング設定画面

「我々は Do Not Track を、利用者の意図を Web サイトに対して明示的に伝えるものとして設計していた。我々は今回、この機能のデフォルトを『トラッキングに関する設定は一切サイトに通知しない』に設定した。Mozilla には利用者の意図がわからないからだ」

Nightingale 氏は、Firefox 21を利用すれば、訪れるすべてのサイトに対して、トラッキングを許可するか、しないか、をはっきりと意思表示できると述べた。Mozilla の最新のデータによれば、米国の Firefox 利用者の17%が、トラッキングの拒否を選択しているという。

■パフォーマンス

パフォーマンスは、Mozilla が新しい Firefox リリースで常に向上を目指している分野だ。Firefox 21 も例外ではない。Nightingale 氏は、Firefox 21 ではグラフィクスサブシステムが変更されたため、ブラウザパフォーマンスはデスクトップ版、モバイル版の両方で向上したと述べた。

Mozilla の開発者は、将来の Firefox に向けて、新たな JavaScript エンジンである「OdinMonkey」の開発に取り組んでいる。

「Mozilla は OdinMonkey のテストを行っている。これは ams.js に最適化された JIT だ。asm.js コードは、ブラウザゲームの世界を変えてしまうだろう」

asm.js JavaScript ライブラリは、コードをネイティブスピードで実行可能にする。Mozilla は asm.js を活用したブラウザゲームの開発で、Epic Games と協働している。

■セキュリティ

Mozilla は Firefox 21 で、重要度が「最高」とされる脆弱性を3件修正している。3件の脆弱性はすべて、メモリに関連するもの。その一部は、Google のセキュリティ研究チームが「Address Sanitizer」を利用して報告したものだ。

「Google Chrome セキュリティチームの Abhishek Arya 氏は、Address Sanitizer を利用して一連の解放済みメモリの問題を発見した。脆弱性の一部は、リモートからコードを実行される恐れのあるものだった」

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、InternetNews.com の主任編集者。