米国 Red Hat は4月15日、コミュニティ版の OpenStack ディストリビューション「RDO」 を公開した。RDO は、Linux のリーダーである Red Hat が、OpenStack の採用を広める目的で開発したリリースだ。

Red Hat、コミュニティ版 OpenStack「RDO」をリリース
Red Hat CIO である Brian Stevens 氏は、InternetNews.com に対し次のように語った。

「Red Hat はエンタープライズ版 OpenStack の開発も進めているが、その一方で OpenStack のコミュニティ版も必要だと考えた。コミュニティ版 OpenStack の目的は、アップストリームで開発された最新の技術を、開発者とエンドユーザーに少しでも早く届けることだ」

Stevens 氏はさらに続ける。

「Red Hat は RDO を、Red Hat ベースの Linux ディストリビューションのリリースタイミングにあわせてパッケージする。Linux は RHEL であっても、Oracle Linux であっても、CentOS であっても構わない」

Stevens 氏は、OpenStack RDO は、Red Hat 用にカスタマイズされた OpenStack ではないことを強調した。むしろ、アップストリームプロジェクトに向けた"一般的な"バージョンとなることを狙っている。Red Hat は RDO を、毎日、または毎週ベースでアップデートする。

Red Hat は OpenStack のアーリーアダプターではなかった。このため開発の初期段階では、OpenStack に対して影響力を及ぼすことはなかった。Ubuntu が初期段階での OpenStack の中心的なリファレンス実装であり、OpenStack のリリース間隔も、Ubuntu のリリース間隔にあわせたものとなっていた。

Stevens 氏は、Red Hat 開発者は OpenStack が Ubuntu 以外の Linux ディストリビューションでも動作するよう、アップストリームで動いていると述べた。

「アップストリームの OpenStack には、ディストリビューション特有のものは、もはや何もない」

Fedora 版 OpenStack との違いとは?

Red Hat はこれまでも、Fedora 向けに OpenStack をパッケージ化してきた。RDO ディストリビューションは、この取り組みをさらに拡張させるものだ。

「Red Hat は Fedora 向けのパッケージを作ってきたが、Fedora 版 OpenStack では、市場の要求に応えきれなかった。市場は、エンタープライズ版 Linux で動作する無料の Openstack を欲していたのだ。RDO はこの要求に応えたものだ」

PackStack

RDO ディストリビューションの一部として、Red Hat は OpenStack の新たなインストールツール「PackStack」を提供する。SUSE クラウドを含む他の OpenStack ディストリビューションでは、インストールに Dell による Crowbar インストールツールを利用するケースが多い。Steven 氏は、Red Hat も Crowbar を調査したが、OpenStack 専用のインストーラ―が必要だと判断し、PackStack の開発に踏み切ったと述べた。

RDO 開発

RDO は、メインラインの OpenStack 開発の直接のダウンストリームだ。Stevens 氏は、Red Hat は開発において、アップストリーム最優先という方針を持っており、すべての開発作業はメインプロジェクトで実施されたと強調した。

「Red Hat の開発者は、アップストリームで作業をしている。RDO を機能させる上で、何らかの変更が必要となった場合には、その変更は必ずアップストリームで実施している」

エンタープライズ版 OpenStack

RDO はすでにリリースされたが、Red Hat はOpenStack のエンタープライズ版の開発を継続している。OpenStack 自体の開発が早いペースで実施されているため、Red Hat は当初、企業向け OpenStack も早いペースでアップデートする計画を持っていた。だが Stevens 氏は Red Hat は現在、OpenStack の企業向けサポートでは、ハイブリッドモードを計画していると説明している。

Red Hat の計画では、企業版 OpenStack は、アップストリームに最新版がリリースされた3か月後に提供されることになる。この期間に、Red Hat は検証と、パートナーに対する認証作業を実施する。

Red Hat はまた、OpenStack をアップデートしたくない企業顧客に対しては、コードのバックポートも提供する。これにより、企業顧客が Grizzly リリースを使用しており、Havana リリースへのアップデートをしないと決定した場合、企業顧客は Red Hat から Grizzly に対するバックポートサポートを受けることができる。

Red Hat は、Grizzly ベースの OpenStack の企業向けリリースを初夏に予定している。

RDO ディストリビューションは、openstack.redhat.com から無償でダウンロード可能だ。

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、InternetNews.com の主任編集者。