米国 Mozilla は4月2日、Firefox 20をリリースした。一部ユーザーが4年以上に渡って改善を望んでいたプライベートブラウジング機能が改善されている。

■プライベートブラウジングの改善

Mozilla は2008年にリリースした Firefox 3.1 で、プライベートブラウジングを導入した。プライベートブラウジングモードでは、ブラウザの表示履歴とクッキーは、ブラウザを閉じたあとは保持されない。しかし、2008年の初登場時から、Firefox のプライベートブラウジング機能には欠陥があり、それが Firefox 20 でやっと修正されたのだ。

Mozilla、Firefox 20 をリリース―プライベートブラウジング機能を改善
Firefox 20 でのプライベートブラウジング機能

Firefox 20 以前では、プライベートブラウジングを開始すると、それまで閲覧していたページはすべて閉じられ、プライベートモード画面で置き換えられてしまっていた。このため、利用者は、プライベートブラウジングと通常の Web サイトの閲覧を同時に実行することはできなかった。Firefox 20 からは、プライベートモードのタブと通常モードのタブの両方を同時に開くことが可能となっている。

■「ダウンロードマネージャ」は、「ダウンロードパネル」に

Firefox 20 では、ダウンロードマネージャも改善された。Firefox のプロダクトマネージャである Asa Dotzler 氏は、InternetNews.com に対し次のように説明した。

「従来の別ウィンドウが開くダウンロードマネージャは、ブラウザのメインウィンドウ内に統合されたシンプルなパネルとなった。このダウンロードパネルの導入により、ダウンロードは一回のクリックで可能となり、利用者は以前と異なりダウンロードをするために別ウィンドウへとマウスカーソルを移動させる必要がなくなった」

従来のダウンロードマネージャ Firefox 20 のダウンロードパネル
従来のダウンロードマネージャ(左)と、Firefox 20 のダウンロードパネル(右)

Mozilla はその他にも、Firefox 20 でパフォーマンス向上を施している。Dotzler 氏は次のように述べた。

「Firefox の起動時間は10%以上短縮された。これはエンドユーザーが最初に気付く、もっとも目立った変化と言えるだろう」

■開発者向け機能

Firefox 20 では、ツールメニュー内に新しく「Web 開発」メニューが追加された。Dotzler 氏は、Web 開発メニューは、開発者が Firefox の既存の開発ツールに、これまでよりも簡単にアクセスできるよう設計されたものだと説明している。

また、Firefox 20 では、Web リアルタイムコミュニケーション(WebReal Time Communications:WebRTC)が利用可能になっている。WebRTC とは、Web 上でのリアルタイムコミュニケーションを可能にする W3C による新しい標準。Web ブラウザ上での音声チャット、ビデオチャットを実現するものだ。

Mozilla は WebRTC 対応の一環として、「getUserMedia」コンポーネントを実装した。Dotzler 氏はこれを次のように説明している。

「『getUserMedia』は、WebRTC に対応した API だ。これを利用すれば、サードパーティ製のプラグイン無しでも、ブラウザがデバイス付属のカメラやマイクを直接キャプチャできるようになる。Firefox 20 では、WebRTC 関連のコンポーネントとして『PeerConnection』や『DataChannels』も搭載されているが、これらはデフォルトでは使用不可に設定されている。Mozilla はこれらのコンポーネントのテストを現在も継続しており、次期リリースではデフォルトで使用可能にする予定だ」

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、InternetNews.com の主任編集者。