スパム対策組織 SpamHaus と、ドイツでホスティングサービスを提供する企業 Cyberbunker の間で、サイバー空間における大規模な戦いが発生した。戦いはエスカレートし、インターネット全体の速度低下を招いている。今回の大規模なサーバー攻撃は、史上最大レベルのものと言われている。

New York Times はこの件を次のように伝えた。

「スパム対策組織と、Web サイトをホストするドイツの企業との間での小競り合いは、スパムの送信からスタートし、史上最悪レベルのインターネット上のコンピューター攻撃へとエスカレートした。これは、世界中の非常に重要なネットワークインフラで、ネットワーク遅延を引き起こした。数百万ものインターネットユーザーが、Netflix などの動画ストリーミングでサービスの遅延を経験。特定の Web サイトに対しては短期間ではあるが、アクセスできないなどの問題が発生した。グローバルネットワークを運営するインターネットエンジニアは、今回の件は非常に深刻なものであると述べている。攻撃のレベルはより強力になり、コンピューターセキュリティの専門家は、これがよりエスカレートすれば、人々は E メールやオンラインバンキングといった基本的なインターネットサービスさえも利用できなくなる可能性があるとしている」

Mashable は、今回の件が発生した経緯を説明している。

「専門家が史上最大規模と呼ぶ今回の攻撃は、ジュネーブとロンドンに拠点を置くスパム対策企業 Spamhaus を狙ったものだ。同社はインターネットサービスプロバイダーに対して、ブラックリストを販売している。専門家によれば、同ブラックリストは、最大で80%のグローバルなスパム E メールのブロックに貢献しているという。

Spamhaus は、同社がオンラインホスティングサービスを提供する Cyberbunker をブラックリストに追加した直後から、同社が分散型サービス妨害攻撃(DDoS攻撃)を受けていることに気付いた。Spamhaus は Cyberbunker を『幼児ポルノとテロリズム』以外であれば、どのようなものであってもストレージスペースを提供する『スパマーの天国』であると分類している」

BBC は、DDoS 攻撃が、あらゆるタイプのネットワークインフラをダウンできることを伝えている。

「Spamhaus CEO である Steve Linford 氏は BBC に対し、今回の攻撃のスケールは史上最大規模のものだったと述べた。

『我々は、一週間以上にわたり、このサイバー攻撃に曝された。だが、我々は負けなかった。彼らは、我々を倒すことができなかったのだ。我々のエンジニアは、素晴らしい仕事をし、サイトを維持し続けた。≪中略≫この種の攻撃では、どのようなサイトであっても、簡単にダウンさせることができる。もし、英国首相官邸を狙って同じ攻撃を仕掛けたら、簡単にダウンさせることができるだろう。今回の攻撃では、トラフィックは最大で 300gb/s を観測した。大手の銀行などに仕掛けられる DDoS 攻撃では、トラフィックは50gb/s 程度であることが多い』」

CNET は、今回の攻撃 Cyberbunker が関わっていることは、確認されていないと伝えている。

「Cyberbunker が今回の攻撃の背後にいると確認されてはいない。だが、Spamhaus はそう信じている。Spamhaus はまた、東ヨーロッパとロシアの犯罪者集団が、今回の攻撃に参加したと主張している」