ミッションクリティカルなシーンやクラウドシステムおいて、 Linux の採用は引き続き増加していく。これが、Linux Foundation が発表した最新のレポートのトップラインだ。Linux Foundation は、Linux の利用状況に関する調査レポート「2013 Enterprise End User Report」を公開した。

同レポートは、Microsoft による Windows 8 のリリースが、Linux の採用にプラスの影響を及ぼしたとしている。調査対象の39%が、Windows 8 の登場に際し、Windows ではなく Linux の導入に動いたと回答している。

Linux への移行が進んだのは、Windows 8 だけが理由ではない。レポートではより多くの利用者が Windows から Linux へと移行していることを明らかにしている。2010年の調査時には、Windows から Linux へ移行したと回答したのは、調査対象者の31%だった。今回のレポートでは、この数字は40%近くにまで伸びている。

今後の予測においても、今後5年間で Linux の利用を増やす予定があると回答した調査対象者は全体の80%を占めた。これに対し、Windows の利用を増やす予定があると回答したのは、対象者のわずか20%に過ぎなかった。

Linux の採用はさらに拡大 ― Windows 8 の登場が追い風に
今後5年間の投資予定(出典:Linux Foundation)

Linux はまた、ミッションクリティカルな場面での採用も増加していると、Linux Foundation の調査は報告している。2010年の調査では、ミッションクリティカルなシステムで Linux を利用していると回答したのは調査対象者の60%だった。最新の調査では、この数字は73%にまで増加している。

ミッションクリティカルな場面での Linux ワークロード(出典:Linux Foundation)
ミッションクリティカルな場面での Linux ワークロード(出典:Linux Foundation)

クラウドも Linux が強みを見せる分野。調査では、企業のうち76%がクラウド運用に Linux を利用していると回答した。

クラウドにおける Linux の利用状況(出典:Linux Foundation)
クラウドにおける Linux の利用状況(出典:Linux Foundation)

Linux Foundation でマーケティングおよび開発者サービスを担当する VP である Amanda McPherson 氏は、InternetNews.com に対し次のように語った。

「大手企業におけるクラウドの重要性がますます高まっている。これに対応するため、大手企業による Linux の採用も増加している。この傾向は、今後さらに高まるだろう」

とはいうものの、IDC と Gartner による2012年第3四半期の調査は、Windows サーバーの売上が現在も Linux サーバーの売上を大きく上回っていることを示していた。2012年第3四半期における Linux サーバーの売上は26億ドル。これに対し Windows サーバーの売上は、62億ドルだった。

Linux のさらなる採用拡大に向けた課題


Linux Foundation のレポートは、Linux のバラ色の未来を描いてみせるが、Linux のさらなる採用拡大に向けてはまだ課題も残っている。その1つが、高いスキルを持った Linux 専門家の不足だ。

Linux のメリットが広く理解されていないことも、企業における Linux 導入の課題となっているようだ。McPherson 氏は次のように述べた。

「回答者の一部は、企業幹部の反対が Linux の採用の障害になっていると回答している。この事実は Linux コミュニティで働く我々にとっては驚きだった。我々は、Linux のメリットを広く知ってもらうための広報活動をさらに拡大しなければならない。また、Linux 専門家の育成活動をさらに活発化させる必要があることは明らかだ」

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、InternetNews.com の主任編集者。