日本科学未来館は3月22日、同館のシンボル展示である“地球ディスプレイ”「Geo-Cosmos(ジオ・コスモス)」の新規コンテンツとして、上映プログラム「軌跡〜The Movements」と、「Geo-Cosmos」を眺めるために制作された音楽の新プログラム「Geo-Sound by Jeff Millsインナーコスモス・サウンドトラック」の一般公開を開始した。公開初日のイベントでは、同プログラムの上映や音楽を担当したアメリカのテクノ・プロデューサー/DJ のジェフ・ミルズ氏によるトークセッション、同氏のパフォーマンスステージなどが開催された。

地球の姿を映す球体ディスプレイ「Geo-Cosmos」に新規コンテンツ--日本科学未来館が公開イベントを開催
“地球ディスプレイ”「Geo-Cosmos」の下で開催されたジェフ・ミルズ氏のトークセッションの様子

「Geo-Cosmos」は、球体の大型ディスプレイで、「宇宙から見た輝く地球の姿を多くの人と共有したい」という同館館長・毛利衛氏の想いから、同館開館の年となる2001年に制作されたという。開館10周年となる2011年にリニューアルを行った際には、球体表面の発光デバイスとして有機 EL の 96mm 角型パネル1万362枚を採用。これにより、1,000万画素を超える高解像度での映像表現が可能となった。全体のサイズは直径約6m(地球の約200万分の1)で、重さは約13トン。

宇宙から見た地球の姿を、大陸や島々、雲の動きに至るまでリアルに表現する。これらは気象衛星が撮影したデータを毎日取り込んで反映させたもので、地球の姿を眺めることができるという。そのほか、世界中の研究機関などから提供されたあらゆる観測データや気温変化/海洋酸性化のシミュレーション映像なども組み合わせて映し出すなど、刻々と変化する地球の模様を描き出す。

“地球ディスプレイ”「Geo-Cosmos」
“地球ディスプレイ”「Geo-Cosmos」

「Geo-Cosmos」の新規上映プログラム「軌跡〜The Movements」は、「人間の活動と地球観の変遷」がテーマ。約6億年前からの大陸移動や、約20万年前からの人類の大移動、古地図、現代の道路、航路、鉄道、空路、国際宇宙ステーション(ISS)、GPS など“移動”にまつわる様々なデータから、人類が歴史のなかで歩んできた軌跡を地図やイラスト、文字、数字、光の線などを使用したビジュアルエフェクトで表現している。映像はデータの種類に応じたそれぞれのストーリーが展開し、数秒ごとに切り替わっていく。なお、今後は1日2回(10:30〜、14:30〜)上映予定だという。

「Geo-Cosmos」新規上映プログラム「軌跡〜The Movements」のワンシーン(1)
「Geo-Cosmos」新規上映プログラム「軌跡〜The Movements」のワンシーン(1)

「Geo-Cosmos」新規上映プログラム「軌跡〜The Movements」のワンシーン(2)
「Geo-Cosmos」新規上映プログラム「軌跡〜The Movements」のワンシーン(2)

一方、「Geo-Cosmos」の周囲には、映し出された地球の姿や映像を歩きながら楽しむことができる回廊が設置されており、そこにはジェフ・ミルズ氏が制作した音楽プログラム「Geo-Sound by Jeff Millsインナーコスモス・サウンドトラック」が流れる。回廊には一定の間隔で数多くのスピーカーが設置されているが、場所によって異なる音楽が聴こえてくるしくみとなっており、観覧者は歩きながら「Geo-Cosmos」が映し出す地球の姿と様々な音楽のコラボレーションを楽しむことができる。

今回この「インナーコスモス・サウンドトラック」の公開を記念して行われたトークセッションには、ミルズ氏が登壇。自身が制作した音楽プログラムについて同氏は「(自身と)毛利氏との会話から生まれた」とし、「毛利氏とは『宇宙』や『地球』、『サイクル』といったテーマで語り合い、その際のポイントを音で表現した。また、毛利氏がスペースシャトルから宇宙を見たときの話を聞き、そのイメージも反映させている」と制作エピソードを語った。また、回廊で場所によって異なる音楽が聴こえるシステムについては、「ひとつの事象について様々な角度から見て考察する」という視点を生かしたのだという。

トークセッションで登壇したテクノ・プロデューサー/DJ のジェフ・ミルズ氏
トークセッションで登壇したテクノ・プロデューサー/DJ のジェフ・ミルズ氏

トークセッション後には、ミルズ氏によるパフォーマンスステージ「T-minus and Holding」が行われ、宇宙飛行士の活躍や国際宇宙ステーション、宇宙から見た地球などミルズ氏自身が編集した映像に合わせた音楽パフォーマンスを披露。迫力ある映像とミルズ氏の繰り出す音楽、そして見上げると「Geo-Cosmos」がある空間、これらのコラボレーションが生み出す壮大な世界観に、会場に集まったおよそ400人の来場者も魅了されている様子だった。

パフォーマンスステージ「T-minus and Holding」の様子 写真右手のブースでミルズ氏が実際に音楽パフォーマンスを披露した
パフォーマンスステージ「T-minus and Holding」の様子
写真右手のブースでミルズ氏が実際に音楽パフォーマンスを披露した

イベント終了後は、宇宙から見た毎時の地球の様子が「Geo-Cosmos」に映し出された
イベント終了後は、宇宙から見た毎時の地球の様子が「Geo-Cosmos」に映し出された