富士通研究所は、仮想環境の性能に問題がある際、その原因を特定する性能分析技術を、世界で初めて(同社による)開発した。

これまで、仮想環境で問題が発生した際、仮想環境全体の挙動を分析できるツールがなく、アプリケーション(プログラム)レベルで「なぜ」遅くなったのか、根本原因を特定するのは困難だった。

今回、仮想基盤のハイパーバイザー上で各仮想マシン(VM:Virtual Machine)のユーザープログラムの動作情報を採取することで、一元的にプログラムの挙動を分析できるようになった。

この技術により、ハイパーバイザー内の処理から VM 上の OS やユーザープログラム(業務アプリケーション)の処理までの性能を迅速・正確に分析し、挙動を把握できるようになった。

情報採取から分析までの手順は、以下の通り。

測定フェーズ:各 VM 上のユーザープログラム動作情報を、格 VM 上ではなく、VM の切替え処理を活用してハイパーバイザー上で一元採取する。

マップ情報生成フェーズ:測定フェーズで採取したデータを、アプリケーション名や処理関数名などのシンボル名に変換するマップ情報を各 VM 上で作成する。

分析フェーズ:測定フェーズで採取した各 VM 上のユーザープログラムの動作情報と、マップ情報生成フェーズで生成したマップ情報とを照合し、各 VM 上の動作プログラムの実行内訳を、ハイパーバイザーの時間軸で一元分析する。

富士通研、仮想環境の性能が低下する原因を特定できる技術を開発
VM 性能分析処理の流れ

ハイパーバイザーにこの機能を組み込み、一元的にデータを採取して分析するだけで、各 VM 上の OS やアプリケーションを変更せずに、ブラックボックス化している仮想環境の性能分析を行い、可視化できるようになる。複雑化した仮想環境でも正確な実体を把握できる。

この技術は、4月から、富士通 Linux 技術支援サービスで利用される予定。