米国 Yahoo! CEO である Marissa Mayer 氏による内部メモが流出し、同氏が Yahoo! 従業員に対して、在宅勤務を止めるよう呼び掛けていたことがわかった。6月1日以降、これまで在宅勤務をしてきた米国 Yahoo! 従業員は、オフィスへの出勤を求められる。この決定は、Yahoo! 従業員からだけでなく、在宅勤務は生産性を高めると主張する専門家からも批判を浴びている。

All Things D は、Mayer 氏による内部メモを公開した。

「Yahoo! を最高の職場にするためには、コミュニケーションとコラボレーションが重要であり、それには机を並べ、隣り合って働くことが必要だ。だから、従業員がオフィスに出勤することは、欠かせないことなのだ。重要な決断や閃きは、廊下やカフェでのディスカッションから生まれるもの。オフィスで新しく雇われた人と話をしたり、突然開催されるチームミーティングに参加したりするのも大事だ。在宅勤務では、スピードと品質が犠牲になってしまう。我々は1つの Yahoo! になる必要があるが、それは物理的に一緒にいることからスタートする。6月からは、現在在宅勤務をしているすべての従業員に対し、Yahoo! オフィスへの出社を求めたい」

Time は、Mayer 氏によるメモに対し、次のように論評している。

「世界中で読まれたこのメモの中で、Yahoo! CEO である Marissa Mayer 氏は、在宅勤務が同社の勤務形態の選択肢にないことを明確に示した。IT 技術を売りにする企業がこのような決断をするのは驚くべきことだ。これは、現代の職場環境や、共働きをする親を取り巻く環境を、20年近く後退させることになる。在宅勤務を禁止することは、インターネットのパイオニアである Yahoo! と、昨年10月に母親になったばかりの Mayer 氏自身の立場を危うくするかもしれない」

Computerworld は、この件に対する ZK Research の Zeus Kerravala 氏のコメントを紹介している。

「多くの企業が従業員に対して在宅勤務を許可する方向に進んでいるなかで、在宅勤務を禁止とする今回の決定は驚くべきものだ。在宅勤務は、従業員が通勤で費やす無駄な時間を節約し、企業がオフィス設備の維持管理に費やすコストを節約する。≪中略≫ ZK Research の Zeus Kerravala 氏はこの件について次のように述べている。『企業の中には在宅勤務禁止を検討しているところもある。だがトップ企業はどこも、才能ある人材を獲得する選択肢を増やしたいとも考えている。今回の決定は、オフィス所在地から離れた場所に住む才能の獲得を困難にするだろう。また、通勤困難な場所に住んでいる現 Yahoo! 従業員を失うことにもなるかもしれない』」

Bloomberg は、今回の決断が、Mayer 氏のこれまでの言動と一致しないことを指摘している。

「在宅勤務中の従業員が、仕事以外のことをこっそりとやってしまいがちなのは確かだ。Citrix Systems による調査では、在宅勤務をする1,013 人の米国オフィス従業員のうち、26%は昼寝を、43%はテレビや映画の視聴を、24%は飲酒を、勤務時間中にした経験があると述べている。このようなデータを見れば、マネジメントが在宅勤務を禁止したくなるのはわかる。だがそれにしても Yahoo! の新たなルールは、Mayer 氏がこれまで作りだそうとしてきた Yahoo! の新しいイメージとはそぐわないものだ。先月 Mayer 氏は、モバイルは Yahoo! の最優先事項であると強調していた。これには、職場習慣の変化は含まれていないのだろうか? また、才能ある人材の獲得競争を続けるハイテク企業として、従業員の勤務形態から柔軟性を排除することは、賢い方法だと言えるのだろうか?」