インターネットコムは、オープンンソース関連のニュースを取り上げることが比較的多いメディア。それだけに、日本ではオープンソースコミュニティが苦戦していることを理解しているつもりだ。Web ブラウザ1つをとっても、他国では Firefox や Chrome の人気が高まる中、日本では Internet Explorer のシェアが未だに圧倒的に高い。

だが、『AKB48の戦略! 秋元康の仕事術』の中で秋元康氏は、AKB48 の組織作りにおいて、日本では苦戦を続ける「オープンソース」の考え方を取り入れたと述べている。同書36ページには、次のようにある。

「田原:秋元さんは『AKB はウィンドウズではなく、リナックス』だと言っている。ウィンドウズは、中身は全部秘密で完成した商品しか入手できない。リナックスは、オープンソースで、誰でも利用でき、よりよいものにしていくことができる。AKB がリナックスだというのは、どういうこと?

秋元:AKB は、リナックスのようにオープンソースにして、それぞれの専門家が『AKB はこう使えばいい』と工夫し、改良して広がっていくことがおもしろいと」


具体的にはどういうことだろうか?秋元氏は次のように例をあげて説明している。

「秋元:YouTube で8,300万回以上再生されている AKB の『ヘビーローテーション』は、アジアNo.1 のコンテンツになったことがあります。<<中略>>たぶんこれは、男の監督には絶対に撮れない。AKB48 というリナックスを蜷川実花さんがバージョンアップしてくれたんだ、と思います」

秋元康氏のオープンソースに対する理解が正しいかどうかには意見がわかれるところだろう。だが、同氏がオープンソースの考えを導入して組織したとする AKB48 が日本国内での成功に留まらず、海外にも輸出され、成功しつつあるという事実は非常に興味深い。

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