年末も Linux Planet は新カーネルや新ディストリビューション、そして Linux が最初にサポートしたアーキテクチャとの(少しだけ)悲しい別れで忙しかった。

1. Linux 3.7

Linus Torvalds 氏が Linux 3.7カーネルを正式にリリースし、ARM 版 Linux の新たな時代が幕を開けた。これまでは複数のバージョンが開発されてきた ARM だが、3.7カーネルでは ARM 向けの統一アーキテクチャサポートが実現している。さらに、3.7カーネルは64ビットの ARM v8 もフルサポートしている。

Btrfs も一段と成熟し、fsync () の高速化やハードリンク制限の撤廃などの複数の改良がなされた。

ネットワーク関連では、ソフトウェア定義ネットワークのテナントの1つとなる VXLAN をサポートする。VXLAN はレイヤー 3ネットワークにおけるレイヤ 2 オーバーレイ。Cisco と VMware の共同開発で始まったものだが IETF での標準化は進んでいない。

Linux 3.7のネットワーク関連ではほかにも、サーバ側でも TCP Fast Open(TFO)が実装されたことがあげられる。TFO は Google 主導の新しいアプローチで、データ接続における TCP ハンドシェイク処理に最適化された手法を提供する。TFO は、2012年10月に登場した Linux 3.6では、クライアント側にのみ実装されていた。

2. Linux 386

カーネルの開発サイクルには決して終わりがない。カーネルが1つリリースされれば、次期カーネルのマージウィンドウがオープンすることになる。

Linux 3.8カーネルのマージウィンドウはまだオープンされていないが、3.8 では386が非サポートになることは既に多くの方がご存知だろう。

そう、Intel オリジナルの386は Linus が開発に着手したその日から今日まで主流カーネルの最前線でずっとサポートされ続けてきたが、2013年の Linux 3.8からはサポートされなくなるのだ。

Linux カーネル開発者の Ingo Molnar 氏は12月11日、「x86-nuke386-for-linus」コードツリーの検討を Linus Torvalds 氏に対して求めた。Molnar 氏は Linux Kernel のメーリングリストに次のよう書いている。

「このツリーは 386-CPU サポートを削除し、開発上の手間をかなり省くことができる。例えば、24のファイル変更、56か所の追加、425か所の削除、といったものだ。386 サポートは何年もの間、我々が SMP プリミティブを変更したいなどの場合にはいつも、余計な仕事を増やしていた」

ただ、Molnar 氏は 386 サポートの廃止にはデメリットもあることに触れている。

それは、ノスタルジアだ。

「1991年初頭に購入した古い386 DX33 システムでは、もう最新の Linux カーネルが起動しなくなってしまう。これは、悲しい」

3. Slax 7

ディストリビューションによっては、マイルストーンアップデートはあまり頻繁に行わないところもある。この代表例が Slackware ベースの Slax ディストリビューションだ。

先ごろ、Slax の3年ぶりのメジャーアップデート Slax 7.0(コード名:Green Horn)がリリースされた。Slax 開発者の Tomas Matejicek 氏はリリース発表に次のように書いている。

「Slax 7.0 は Slax Linux ライブ OS のメジャーアップデートとなる。最新の Linux Kernel、KDE4デスクトップ、GCC コンパイラなど、さまざまなものが含まれ、それらがすべて210M バイトのダウンロードファイル内に収まっている」

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、InternetNews.com の主任編集者。

(この記事は、2012年12月17日付けの英文記事を翻訳したものです)