2012年も Linux の進化は止まることはなく、カーネル開発者には忙しい一年となった。昨年はトータルでは7つのカーネルがリリースされ、多くの新機能が追加されている。

Linux 3.7

Linux 3.7 は12月初めにリリースされ、2012年最後の Linux カーネルとなった。

3.7リリースで注目すべきは ARM 対応を強化したことだ。ハードウェアが異なる ARM システムでも同一カーネルからブートが可能となった。また、3.7 カーネルは VXLAN のソフトウェア定義ネットワークプロトコルもサポートしている。

Linux 3.6

Linux 3.6 カーネルは9月末にリリースされた。3.6 リリースでは電源管理に改良が加えられ、メモリ及びディスクへのサスペンド機能が改善されている。

Linus Torvalds 氏は 3.6 を「着実な進歩」を見せたリリースだと述べている。

「アーキテクチャにもファイルシステムにも大きな変更はなく『着実な進歩』だけとなっている。さほどワクワクしないかもしれないが、『神は細部に宿る』という言葉に従い、多数の細かい修正がなされている」

Linux 3.5

Linux 3.5 のリリースは7月だった。このリリースでの目玉は Ext4 ファイルシステム向けのメタデータチェックサム機能。ファイルシステムの整合性が改善された。

メタデータチェックサムの kernel.org Wiki には次のようにある。

「仮にストレージハードウェアが100%信頼できるものであったとしても、データの転送時や、データの間違った場所への書き込みなどによってデータの破損や消失は発生する。攻撃以外の原因による破損からデータを保護するには、ファイルシステム上のメタデータオブジェクトのチェックサムを保存するすることが望ましい。それによって、メタデータの破損を防ぐことができる」

Linux 3.4

Linux 3.4 は5月にリリースされた。このリリースでは Btrfs ファイルシステムに btfs-restore ユーティリティが搭載され、マウントできないファイルシステムからのデータ復旧機能が向上した。

KVM の仮想化機能も大幅に強化され、サポート可能な仮想 CPU(vCPU)の最大数は64から160に変更された。

Linux 3.3

Linux 3.3 は3月にリリースされた。このリリースで注目すべきは Android がメインラインに復帰したことだ。

Linux カーネル開発者の Greg Kroah-Hartman 氏は、Android ドライバーを Linux メインラインに復帰させることについて次のように述べている

「私が間違っていたことがわかったので、我々はコードをツリーに戻すことにした」

Linux 3.2

2012年最初のカーネルが1月上旬リリースの Linux 3.2 だった。このリリースの目玉は Ext4 ファイルシステムの改善で、ブロックサイズが従来の 4K バイトから 1M バイトに増加された。

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、InternetNews.com の主任編集者。