Ubuntu の開発を支援する英国 Canonical は1月2日、スマートフォンプロジェクト「Ubuntu for Phones」を発表した。この新たなプロジェクトにより、Ubuntu は Android OS、Firefox OS、iOS といったスマートフォン OS と直接競合することになる。Ubuntu の創始者である Mark Shuttleworth 氏は、 記者会見の席上で次のように語った。

「スマートフォン OS は、現在もっとも熾烈な戦いが行われている分野だ。だが我々は Canonical のビジョンは他社にはないユニークなものだと考えている。また Canonical には多くの開発者たちとの繋がりがあり、彼らが我々の製品の熱心な支持者かつ協力者になってくれるという強みを持っている」

Canonical がスマートフォンプロジェクト「Ubuntu for Phones」を発表
Ubuntu for Phones

Canonical のビジョンとは、Ubuntu という OS をデスクトップ、サーバー、TV そしてスマートフォンのすべてで利用可能にすることだ。

Ubuntu for Android

Canonical がモバイル関連のプロジェクトを公表するのは、これが初めてではない。昨年2月には、Ubuntu for Android を公表している。だが公表から1年近くたった現在でも、Ubuntu for Android を搭載して出荷されたスマートフォンはまだ1台もない。

Ubuntu for Android
Ubuntu for Android

Canonical の CEO である Jane Silber 氏は、Canonical はすでに Ubuntu for Android でスマートフォンベンダーと提携済みであり、2013年のどこかの時点で出荷される見込みであると語った。Shuttleworth 氏は、今後 Canonical は Ubuntu for Phones をプッシュしつつも、Ubuntu for Android に対する投資も継続すると語っている。

Shuttleworth 氏は Android から完全に撤退することはないと語ったが、Android を気に入ってはいないようだ。Shuttleworth 氏は Ubuntu for Phones を Android とどう差別化するかと尋ねられ、次のように答えている。

「Ubuntu for Phones は、Android よりもずっとオープンだ」

Shuttleworth 氏は、Android はコードこそオープンではあるが、実際の開発ロードマップについてはクローズドだと語った。これに対し、Ubuntu は開発者に対して積極的に開発プロセスを公開しているという。

今年4月にリリースが予定されている Ubuntu 13.04 では、Ubuntu for Phones のコードの組み込みが部分的に開始される。Ubuntu for Phones プラットフォームの完成は、2013年の終わりか、2014年の初頭を予定しているという。

Shuttleworth 氏はまた、Android はモバイル専用の OS であるのに対し、Ubuntu はデスクトップ、クラウド、そしてスマートフォンすべてで利用できる点が差別化のポイントでもあるとも語った。

「スマートフォンで動作する Ubuntu for Phones は、完全な Ubuntu OS だ。Ubuntu for Phones が稼働するスマートフォンを大きな画面を持つタブレットにドッキングすれば、Ubuntu タブレットとして利用できる。マウス、キーボード、モニターを接続すれば、デスクトップとして利用できるのだ」

Ubuntu for Phones をデスクトップとして利用する例
Ubuntu for Phones をデスクトップとして利用する例
Ubuntu for Phones 解説ビデオ


Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、InternetNews.com の主任編集者。