米国 Google は、東日本大震災で被害を受けた施設のようすをストリートビュー画像で記録/保存する取り組み「震災遺構デジタルアーカイブプロジェクト」にもとづき、撮影作業を終えた岩手県および福島県内の施設のパノラマ画像を「Google マップ」「未来へのキオク」(関連記事)で公開した。

Google「震災遺構デジタルアーカイブプロジェクト」、岩手/福島県34施設の被災パノラマ画像を公開
未来へのキオク
震災遺構デジタルアーカイブプロジェクト

同プロジェクトは、東日本大震災で被害を受けた施設の外観および構内を「おみせフォト」と同じ技術を活用して撮影するもの(関連記事)。公開した写真は、世界中の科学者や研究者や、今後生まれてくる震災未経験世代に地震や津波が引き起こした被害のようすを伝える「ひとつの道具」として活用してほしいとしている。なお、今回撮影した施設のなかには、すでに解体が始まっているものもあったそうだ。

写真を公開した施設は合計34件。内訳は、岩手県が大船渡市12件、釜石市8件、陸前高田市10件、福島県が浪江町4件。例えば、3階の天井まで水が達した陸前高田市役所の旧庁舎には、津波に押し流された軽自動車が残っていた。また、浪江町立請戸小学校の体育館は床がところどころ陥没し、行われることのなかった卒業式の看板が掛ったままになっている。ちなみに、同小学校は東京電力福島第一原子力発電所の事故にともなう避難指示区域内にある。

陸前高田市役所の旧庁舎
陸前高田市役所の旧庁舎

浪江町立請戸小学校
浪江町立請戸小学校

今後 Google は、新たに撮影対象とした宮城県の10施設を含め、以下の施設の撮影を行う。

【岩手県】
・大船渡市:越喜来漁港、門の浜漁港、根白漁港、さいとう製菓
・釜石市:丸栄及新

【宮城県】
・気仙沼市:けせんぬま海鮮市場「海の市」、気仙沼リアスシャークミュージアム
・七ヶ浜町:七ヶ浜町立七ヶ浜中学校
・東松島市:大曲地区体育館、野蒜出張所、東松島市立浜市小学校、宮城県松島自然の家、JR 野蒜駅
・山元町:山元町立中浜小学校
・利府町:浜田漁港

さらに Google は、同プロジェクトによる施設のデジタルアーカイブを希望する自治体や施設管理者を Web ページで引き続き受け付ける。

なお Google では、「東日本大震災デジタルアーカイブ」の活動として、東日本大震災の被害状況を記録/保存するため、2011年7月にストリートビュー撮影車で街並みの撮影を開始していた。のべ 4万4,000km を約半年かけて走行し、被害の大きかった東北地方の沿岸地域や主要都市周辺を公道から撮影した。現在は、撮影した写真を Google マップと「未来へのキオク」で公開している(関連記事)。

震災遺構デジタルアーカイブプロジェクトの紹介ビデオ