現在の IT 組織では、社内インフラの仮想化や、クラウドの運用能力が要求される。Linux ベンダーである Red Hat も、顧客からのこのような要求に応えるため、取り組みを続けてきている。

米国 Red Hat は、Red Hat Enterprise Virtualization 3.1(RHEV 3.1)を12月5日にリリースした。これにより、VMware による仮想化プラットフォームとの機能面での差は、また少し縮まった。

Red Hat のプロダクトマーケティング担当シニアマネージャ Chuck Dubuque 氏は InternetNews.com に対し、今回のリリースでの目玉となる機能は「Live Storage Migration」だと語った。

Live Storage Migration を利用すれば、ユーザーは異なったインフラ上にある仮想マシンのストレージを動的に移行することが可能になる。だがこの機能は、現在はまだプレビュー段階にある。

Dubuque 氏は、Live Storage Migration が今回プレビュー版として提供された理由は、機能が未成熟であるからではないと述べた。そうではなく、Live Storage Migration は、Red Hat のフラグシップ OS である RHEL の次期バージョンでより良好に動作するためなのだそうだ。現行の RHEL のバージョンは 6.3。次期バージョンである6.4 では、KVM 仮想化ハイバーバイザがアップデートされるため、Live Storage Migration の動作が安定するということだ。

Dubuque 氏は、Live Storage Migration が製品版となるのは、RHEV 3.1.1 からだと語った。このバージョンは、2013年初頭にリリースされる RHEL 6.4 と同時に登場の予定だ。

CloudForms


仮想化は、クラウド運用の鍵となるコンポーネントだ。だが、クラウドにはほかにも重要なコンポーネントがある。それは、クラウド上でのアプリケーションの管理とデプロイを提供する機能だ。この分野では、RedHat は「CloudForms」プラットフォームを提供する。

CloudForms 1.0は、今年の6月に登場。現在は、1.1 にバージョンアップされている。Red Hat のクラウドビジネス部門 GM である Bryan Che 氏は InternetNews.com に対して、CloudForms 1.1 では、ルックアンドフィールが変更された他、新しい API も提供されていると語った。新しい API では、ワークロード自動化のための新たなインターフェイスを提供している。

Red Hat はまた、「Red Hat Hybrid IaaS」も提供する。Hybrid IaaS は、RHEL とは異なる販売モデルを持つパッケージソリューションだ。RHEL のサブスクリプションは、CPU ソケット単位で販売されている。だが Che 氏によれば、CloudForms と Hybrid IaaS では、仮想マシンの数をベースに顧客が料金を支払うクラウドマネジメントモデルを採用しているという。

プロフェッショナルサービス

Red Hat は、企業によるクラウドへの移行を手助けを行うプロフェッショナルサービスの分野にも進出しつつある。Che 氏によれば、RHEV を購入する顧客の多くは、仮想化やクラウドを既存の技術と同様に扱おうとして失敗しているという。顧客の多くは、OS のデプロイ方法は理解している。だが、クラウドのデプロイとなると、話は違ってくるのだ。

「Red Hat のプロフェッショナルサービスは、顧客がクラウド環境へと移行するのを手助けしている。クラウドが企業による IT オペレーションの方法を根本的に変えてしまうことも伝えている」