現在では非常に多くの企業で、従業員が自身のモバイルデバイスをオフィスに持ち込む「BYOD」の普及が進んでいる。だが、この BYOD 現象に対応するため、企業側は新しいタイプのセキュリティ対策に追われている。

BYOD におけるセキュリティリスク

セキュリティベンダー米国 Blue Coat の調査によれば、IT スタッフと従業員では BYOD に対する見解がまったく異なっているという。従業員に対する調査では、自身のデバイスを使って企業ネットワークにアクセスしていると回答した人は全体の71%に及んだ。だが IT スタッフは、そのような従業員は全体の37%に留まっていると考えていることがわかった。

では、従業員と IT スタッフはどちらが正しいのだろうか?

セキュリティベンダー米国 Webroot  の調査によれば、従業員の73%は自身のデバイスを業務で利用しているか、会社が支給したデバイスと自身のデバイスを併用していると回答している。この2つの異なった調査結果を見れば、7割前後の従業員が自身のデバイスを業務で利用していると判断するのが妥当ではないだろうか。BYOD は、企業側が考える以上に浸透が進んでいるのだ。

BYOD は、企業ネットワークに対するセキュリティ上の懸念のひとつとなりつつある。しかし、セキュリティに関しても、IT スタッフと従業員とでは異なった見解を持っているようだ。Blue Coat の調査によれば、IT スタッフの80%近くは、モバイルデバイスから企業ネットワークにマルウェアが感染する危険性は「中程度」から「非常に高い」ものだと回答している。これに対し、従業員の88%は、自分のモバイルデバイスは「かなり安全」または「非常に安全」だと考えている。

では、これは、どちらが正しいのだろうか?

Webroot による調査では、調査対象者の83%は BYOD のセキュリティ管理は困難なものであると回答している。また、対象者の63%は、BYOD を導入することで上昇するセキュリティリスクへの対策コストは、BYOD を導入することでカットできるデバイス購入コストを上回ると回答している。セキュリティに関しては、IT スタッフの見解が正しいと見るべきだろう。

BYOD セキュリティ対応ソリューション

BYOD のセキュリティリスクに対応するため、企業での BYOD セキュリティ管理の重要性はますます高まっている。だが、Webroot による調査では、モバイルデバイスのセキュリティプランをすでに導入済みの企業は、全体のわずか48%に留まる。多くのベンダーはここに着目し、モバイルセキュリティに対するソリューション製品を次々と発表している。

Blue Coat による「Mobile Device Security(MDS)」サービスは、Blue Coat が以前から提供していたクラウド型 Web 防御システム「WebPulse」を活用したもの。MDS が目指すのは、企業内ネットワークで従来から提供されてきた脅威に対する検出機能を、モバイルデバイスに対しても提供することだ。Blue Coat のプロダクトマーケティング担当上級ディレクターである Sasi Murthy 氏は次のように語る。

「MDS では、モバイルデバイスのセキュリティだけではなく、モバイルデバイスから企業ネットワークへのマルウェアの感染も監視する」

Webroot の「SecureAnywhere Business Mobile」では、クラウドベースの BYOD セキュリティを提供する。アンチマルウェア保護に加え、Webroot のソリューションでは従業員がアプリをインストールしようとしたときに、アプリの潜在的なリスクを警告する機能も備えている。

米国 OpenDNS による「Umbrella」サービスでは、OpenDNS クラウドネットワークを活用。モバイルトラフィックを高速化するだけでなく、トラフィックのセキュリティ向上も狙う。Umbrella では、モバイルユーザーは安全な VPN 接続を使ってインターネットに接続することになる。これにより、企業ネットワークインフラの提供するセキュリティ機能をモバイルデバイスに対しても常に提供可能となる。

OpenDNS の CEO である David Ulevitch 氏は、モバイルセキュリティを意味のあるものにするには、業務で利用されるモバイルデバイスを24時間常に保護する必要があると語る。

「世界一安全なネットワークソリューションがあったとしても、使われなければ意味はない。従業員がセキュリティの低い環境でインターネット接続をし、そこでマルウェアに感染してしまえば、企業がネットワークインフラに投資をしても無意味となる」

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、InternetNews.com の主任編集者。