ショッピングモールや空港、それに博物館といった屋内にいるときに、自分の居場所がスマートフォンでわかるようになった世界を想像してみて欲しい。そのような世界は、もはや「マイノリティレポート」などの SF 映画の中だけに存在するものではなく、現実のものとなりつつある。

Cisco は11月15日、Wi-Fi を利用した新しい位置データ分析プラットフォームを公開した。同時にモバイルチップベンダーの Qualcomm とのパートナーシップについても公表している。Qualcomm は、Cisco の新技術を同社のチップに埋め込み、2013年の初頭にデビューさせる予定だ。

Cisco のマーケティングおよびサービスプロバイダーモビリティ担当上級ディレクターである Murali Nemani 氏は InternetNews.com に対して、この新技術は「室内型 GPS」と考えることができる、と語った。GPS は屋外では広く利用されているが、モールや博物館の中では機能しない。Cisco による新技術は、利用者が屋内でも自分の居場所を知ることができるようになるものだ。また、その居場所に応じたサービスを受けることも可能になる。

例をあげよう。利用者が博物館を歩いているとする。その利用者は、スマートフォンから博物館がアプリを提供していることを示すアラートを受け取る。アプリをインストールすれば、利用者は博物館内の詳細な地図をスマートフォンで表示できるようになるだけでなく、利用者がいま目にしている展示物の情報も入手可能となる。Cisco はすでに米国ジョージア州アトランタにある博物館「Fernbank Museum of Natural History」と提携し、このサービスの提供を開始している。

Cisco のアプローチは、モールやイベント会場、それに博物館などで利用者に対して無料の Wi-Fi アクセスを提供し、その見返りとして利用者から位置情報利用の許可を得る、というものだ。これにより、利用者はモール内で迷子にならずに済むようになるだけでなく、自分が立っている場所の目の前にあるショップの情報を得ることも可能になる。モール内のショップのオーナーから見れば、利用者がショップに近づいてきたときに、ショップのキャンペーン情報を通知したり、割引券をプッシュしたりすることが可能になるというわけだ。

Nemani 氏は次のように語った。

「この新技術は、企業やサービスプロバイダーが、新たな価値を生み出す機会を広げるものとなるだろう。企業にとっては、顧客の現在地に応じた適切なサービスを提供するための重要な手段となる」


Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、InternetNews.com の主任編集者。

(この記事は、11月15日付けの英文記事の抄訳です)