米国 Mozilla は、Facebook を Firefox Web ブラウザに組み込む「Social API」のベータテストを公式に開始した。

Mozilla が開発する Social API は、SNS サービスを Firefox に組み込み、より深いレベルでのコラボレーションを可能にするもの。似たような機能を持つアドオンは以前から存在しているが、Social API はそこからさらに一歩踏み込み、SNS サービスを日々の Web 閲覧体験の一部として統合することを狙っている。

Mozilla の Firefox エンジニアリング上級ディレクターである Johnathan Nightingale 氏は、InternetNews.com に対し次のように語った。

「Mozilla は、SNS サービスを Web ブラウザの一部として組み込む。利用者はどの SNS サービスを使っていている場合でもそのサービスを Firefox に組み込んで、Firefox の一部としてアクセスすることが可能となる」

Social API は Firefox 17(現在は Beta 版) 以降で提供される予定だ。

Social API が最初にサポートする SNS サービスは、Facebook だ。Social API によって Facebook が Firefoox に統合されると、Firefox で新しいサイドバーが利用可能になる。このサイドバーには Facebook で友だちの更新情報をリアルタイムに知らせる「ティッカ―」が表示される。また、Facebook チャットも利用可能となる。

ロケーションバーには、Facebook の「いいね!」ボタンが統合される。Nightingale 氏によれば、他の SNS サービスの共有ボタンなどもいずれは統合可能になるという。

「Firefox 利用者は気になる Web ページを見つけたときに、そのページを友だちとワンクリックでリアルタイムに共有することが可能になる。SNS サービスは、もはや別のタスクではなく、Web ブラウザ上での活動の一部となるのだ」

Facebook のメリットは?

Mozilla は Social API のテストで Facebook と協力しているが、Mozilla と Facebook の間で正式な業務提携がなされたわけではない。Facebook はその財源を広告収入に頼っているのだが、そのあたりはどうなっているのだろうか? Nightingale 氏は次のように説明した。

「Mozilla は Facebook のエンジニアリングチームと協働し、Social API を素晴らしいものにしようと努めてきた。だがこのコラボレーションは、Web ブラウザに対して SNS を統合したいという Mozilla と Facebook の情熱によって実現したものだ」

Nightingale 氏によれば、Mozilla は Facebook の広告プログラムに関わってはいないし、その種のものを Social API に組み込む予定もないという。Mozilla と Facebook はまた、現在は Facebook で勤務している Mozilla の元従業員を通じてもつながりを持っているのだという。Facebook で勤務する Mozilla の元従業員と言えば、Mozilla プロジェクト創設者の1人 Mike Shaver 氏が浮かぶ。だが Nightingale 氏によれば、Mozilla の Social API は Shaver 氏の所属する Facebook のモバイルチームではなく、Messenger グループを介して開発が進められているということだ。

Mozilla はいずれは Facebook だけでなく、他の SNS サービスを Social API で利用可能にするだろう。その成功のカギとなるのは、Firefox 利用者に対して快適な「ソーシャル Web」体験を提供できるかどうかにかかっている。

「これまでも Web ブラウザで SNS サービスを開くことはできた。だが今後はそうしなくても、SNS サービスと常に繋がっていられるようになる。聞いただけでは違いはあまり感じられないかもしれないが、実際に体験すればそこには本当に大きな違いがあることに気付くだろう。利用者は友だちとより緊密につながることが可能になるのだ。SNS への接続は本当に簡単なことになり、自分たちがハイテク技術を利用しているという意識すら消えるだろう」

Sean Michael Kerner
Sean Michael Kerner は、InternetNews.com の主任編集者。