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テクノロジー2011年9月16日 16:50

Facebook は、次の Yahoo となる

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著者:Mike Elgan
海外internet.com発の記事
Facebook が驚異的な成功を収めていることはいまさら言うまでもない。7億5,000万もの利用者を抱えるソーシャルサイトは、失敗という言葉とは無縁に見える。

だが、それは間違っている。

よくよく見てみれば、Facebook のやってることは間違いだらけだ。他社を真似ただけのサービスの立ち上げと閉鎖を繰り返している。最近ではついに後発の SNS、Google+ の模倣まで始めてしまった。

いますぐに、というわけではない。だが、遠からず Facebook は新たな Yahoo と化すだろう。

Facebook はなぜ成功できたのか


ハイテクの世界ではタイミングがすべてだ。そして、Facebook が成功できたのは、タイミングが完璧だったからだ。

Facebook が設立された2004年、大学生たちは自分を他者と差別化できる SNS を欲していた。Facebook はその期待に応え、絶妙のタイミングでサービスを開始した。

当時最大のシェアを持っていた SNS は MySpace だった。だがそれは自分の好きな音楽について語るサイトで、参加者にはやんちゃなティーンエイジャーが多く、学生たちの欲求を満たす場所ではなかった。学生たちは MySpace とは違う、排他的で入会することがステータスとなるような会員制 SNS を欲していた。

Facebook はこうした欲求に応え、ハーバード大学の学生に向けた会員制 SNS としてスタートした。Facebook はその後、アイビーリーグの8大学、ニューヨーク大学、マサチューセッツ工科大学、そして西海岸のスタンフォード大学と会員資格を広げていき、会員数を伸ばしていった。卒業生からの要請に応え、一部のハイテク企業の社員にも公開された。

Facebook は、SNS において排他的であることが最も重要視されていた時期に、「選ばれた人間」のみを入会させることで人気を獲得していったのだ。

だがその後、SNS は特権階級のための立身出世の道具ではなくなる。
2006年9月26日以降、Faceboook には誰でも入会できるようになり、それまでとは違って、昔の友人と再会したり、友達同士のコミュニケーションを円滑にしたりする道具として機能するよう変化していった。

Facebook が成功した理由をまとめればこうなる。

・Facebook のアイディアは「誰も思いつけないほど特別」なものではなかった
・設計も革新的とは言い難いものだった
・社内に天才的なエンジニアがいたわけではなく、技術的レベルが高かったわけでもなかった
・しかし、サービス開始のタイミングは完璧だった

人々が、ステータスとしての SNS を欲していたときに、他に先んじて提供することができたことが、Facebook 成功のカギだったということだ。

Facebook はなぜ今後落ちぶれていくのか


Facebook はかつてステータスだった。簡単に入会できないからこそ、入りたい人がたくさんいた。でも、いまでは SNS は至る所に転がっており、Facebook にも誰でも参加できる。そこにステータスはない。

この環境で Facebook が生き延びるには、自己改革が必要となる。実際、Facebook はもがいている。だが、その試みはほとんど失敗に終わっている。

失敗の例をあげてみよう。

「Facebook メッセージサービス」を開始したときには、利用者に @facebook.com アカウントをメインのメールアカウントとして使わせようとした。覚えているだろうか。私は忘れていた。誰も使ってなかったからだ。

「グルーポン」が人気を博したときには、そのサービスを真似て「Facebook クーポン」を開始した。でも、私のまわりには Facebook クーポンで買い物をした人はいない。

次世代の Twitter と呼ばれる「FourSquare」がヒットすると Facebook はそれも真似た。FourSquare はスマートフォンの GPS を使った SNS で、街で FourSquare を起動してボタンを押すと自分の場所が友人に公開される。Facebook は同様のサービス「Facebook スポット」を開始したが、これも失敗に終わった。

Facebook は、クーポンとスポットを先月人知れず閉鎖した。

Facebook にはタブレット端末ユーザーを獲得できた可能性もあった。タブレット端末と SNS は相性が良い。どちらも、暇なときに自宅のリビングで利用されることが多いものだからだ。

なのに、Facebook はいまだにタブレット用の公式アプリを出していない。iPad が出荷されて1年半も立つというのに。

そして、Facebook は絶望的な戦略を取り始めた。後発の SNS サービス、Google+ の後追いである。

Google+ では、「サークル」を使い、ネットワークを家族、友人などに分類している。これが発表されると、Facebook は「グループ」と「友達リスト」を開始した。残念ながら、これらのサービスの提供開始はあまりに遅すぎた。Google+ は、これからのサービスだ。最初から友人をグループ分けする分には問題はないだろう。だが、Facebook ユーザーの多くは、すでに何年も Facebook 上で友人と交流している。いまさらその友人を分類することなどできない。

今週、Facebook は、「Subscription(フィード購読)」機能の提供を開始した。これはGoogle+ の「Public」を真似したものだ。

Google+ は 「Hangouts」 というクラウドベースのビデオチャット機能をベータ公開している。これは、Skype のビデオチャットよりもはるかに高機能で安定しており、しかも無料だ。一度使うと、手放せなくなる。

Hangouts 公開の1週間後、Facebook は Skype とのパートナーシップを結び、Facebook から Skype を利用してビデオチャットができるようにした。確かに、Skype を使った1対1でのビデオ会話は優れたものだ。だが、ビデオチャットとなると、Skype のP2P技術では処理が重すぎる。しかも、Skype のビデオチャットは有料サービスだ。

Skepe とのパートナーシップは、Facebook のもうひとつの愚かな戦略を典型的に表している。シナジーを考えず、手当たり次第に「Facebookに放り込んで」しまうという戦略だ。

Facebook は来週、新たな音楽配信サービスについて公表する。これによって、利用者は、パートナー企業からの音楽のストリーミング配信を受けることができるようになるという。この提携からは、何の将来像も見えてこない。やはりただ「放り込んで」しまっただけだ。そして、この先の見えない戦略が Facebook のアイデンティティを侵食し始めている。ユーザーにとって、Facebook のサービスが複雑で理解しにくいものになりつつあるのだ。

Facebook は自分たちが落ち目であることを自覚し、そのことを恐れているようだ。事実、Facebook は落ち目なのである。Facebook は利用者を増やし続けてはいるものの、その成長の中身を調べてみれば、初期のユーザーたちが Facebook を見限り始めているのがわかる。

最近のユーザー動向を見てみよう。5月に Facebook は600万人の米国ユーザーを失った。カナダからは150万人、英国、ノルウェイ、ロシアからはあわせて数10万ものユーザーが Facebook を去っている。

Facebook はなぜ次の Yahoo になるのか


Facebook が消えてしまうとは思わない。Facebook は生き延びるだろう。ただ、Facebook は、次の Yahoo になる。そう、これが私が言いたかったことだ。

いまとなっては信じがたいが、Yahoo がシリコンバレーでもっとも熱い企業だったことがある。だが、周知の通り、いまではすっかりその影響力を失った。

人々がインターネット接続を手に入れたばかりの頃、ネット上に何があるのかを探しだすには「住所録」が必要だった。Yahoo はそれを提供し、巨大な「ポータルサイト」として君臨した。

が、ポータルの時代は終わった。時代の波は、ポータルから「検索」へと変化し、その波に乗って登場したのが Google だった。Google は Yahoo に代わり、シリコンバレーで最も熱いインターネット企業として君臨し始めた。

いまでも Yahoo は滅びてはいない。Yahoo にはまだ多くのトラフィックがあるし、多くの利益もあげ企業活動を継続している。

だが、ニュースに登場し、人々の注目を浴び、社会に影響を与える時代の寵児としての Yahoo の役目はすでに終わっている。

Yahoo にもビジョンがなかった。目的もなかった。いまの Yahoo は、ただかつての栄光を取り戻したいという思いに駆り立てられて動くゾンビのようだ。

Facebook もそうなりつつある。Facebook はこれからもユーザーを獲得し続けるだろう。利益もあげ続けるだろう。だが、Facebook には、来るべき 「Facebook 後の時代」に向けて自己改革する能力がない。

Facebook には「一発屋」としての未来が待ちうけている。

Facebook は新しい Yahoo なのだ。
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