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テクノロジー2009年6月25日 11:00

開発者を支えるオープンソース――ソフトウェア構成管理 その2

この記事のURLhttp://japan.internet.com/webtech/20090625/6.html
著者:山靖之
国内internet.com発の記事
前回のコラムでソフトウェア構成管理の概要とそれを実現するための商用ソフトウェアについて紹介しましたが、今回は、オープンソースソフトウェア(以下、OSS)の紹介です。

OSS によるソフトウェア構成管理環境の構築はすでに一般化し、多くの開発プロジェクトで利用されています。弊社においても、ソフトウェア構成管理の環境は OSS で構築して開発チームが利用しています。

OSS のソフトウェア構成管理ツール

以下がソフトウェア構成管理を実現する OSS の一覧です。

ソフトウェア構成管理 OSS 一覧
ソフトウェア構成管理 OSS 一覧
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上記の一覧では、ソースコードなどのソフトウェア成果物をバージョン管理するリポジトリツールを“構成管理”、バグの情報などソフトウェア変更に関する情報を管理するツールを“変更管理”と分類しています。

管理ツールを、BTS(Bug Tracking System)や ITS(Issue Tracking System)などと呼ぶことも多いのですが、呼び名とその分類に若干曖昧さを感じたので、前述のような分類をしました。

弊社の開発チームでも、上記表の OSS を活用し、ソフトウェア構成管理環境を構築しています。構成管理には、CVS または Subversion を利用しています。以前は CVS で統一されていましたが、最近は Subversion の利用が増えてきており、CVS で管理されているものは Subversion がリリースされる以前に開発した古いシステムになります。

変更管理においては、開発チームごとに利用しているソフトウェアは異なり、Trac、Bugzilla、redmine、影舞と、さまざまです。できれば統一したいのですが、開発チームごとの好みもあり、いまだ統一できずに悩んでいる状態です。

OSS と商用製品の違い

ソフトウェア構成管理を実現するための基本機能としては、大きな差はなくなってきています。弊社の開発環境においても、当面は OSS の構成管理環境で運用していき、今後商用のツールにリプレイスする予定もありません。

ただし、OSS と商用製品に違いがないわけではなく、ソフトウェア構成管理ツールを導入する企業にとって、商用製品の優位点が重要な導入要件になっている場合もあります。

主な違いは以下になります。

・マルチサイトでの構成管理
・変更管理と構成管理のインテグレーション

マルチサイトでの構成管理とは、異なる複数開発拠点(たとえば海外などの遠隔地)でソフトウェア開発をしている場合に、物理的なリポジトリは開発拠点ごとに分散していますが、論理的には一つのリポジトリであるかのような運用を可能とする機能です。物理的なリポジトリは分散していますので、実際には、分散したリポジトリ間で、差分の複製(レプリケーション)が行われています。

さらに、異なるバージョンの分岐(ブランチ)がそれぞれ別のサイトで開発され、その結果をマージする機能も実現可能となります。利用者は、物理的なリポジトリが分散していることを意識せずに運用できるのが、この機能のメリットです。

変更管理と構成管理のインテグレーション機能ですが、これは、変更管理ツールと構成管理ツールの整合性を保証する機能です。

商用ツールでは、変更管理/構成管理ツールが同一ベンダーから提供されていることが多く、インテグレーション機能は充実しています。変更管理ツールには、バグや仕様変更など、ソフトウェアを変更する理由を登録しますが、その変更に対するソフトウェア成果物のバージョンを完全に紐付ける機能があります。

さらに、変更理由が変更管理システムに登録されていないと、構成管理ツールから修正対象のソースプログラムを取出せないようなプロテクト機能を設定できるなど、変更管理ツールと構成管理ツールが密に連携させることで、このような機能を実現しています。

OSS でソフトウェア構成管理を実現する場合でも、上記の商用ツールが提供する機能を運用やカスタマイズで対応することも可能ですので、導入企業が何を最優先要件とするかによって、商用ツールか OSS かの判断をすればよいでしょう。

また、OSS と商用製品の初期導入コストやランニングコストの違いも重要な選定基準になります。

商用ツールと OSS の連携

現在、IBM 社から提供されている RTC(Rational Team Concert)はソフトウェア開発チーム向けの統合開発環境で、この製品では、ソフトウェア構成管理の機能として IBM 社製のツールと OSS の両方が連携可能となっています。

このように商用ツールが用途に応じて OSS とも連携できるというのは、利用者にとって選択肢が増えることになるので非常に嬉しいことです。

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