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開発者を支えるオープンソース その2

山靖之
2009年2月6日 / 09:00
 
 
前回のコラムでは、開発者が利用するソフトウェアの種類や商用製品を中心とした紹介をしましたが、今回はオープンソースの開発支援ツールを紹介します。

開発コストは低く抑えたい

開発プロジェクトは、与えられた時間内に要求と品質を満たすことが最大の目的となります。

したがって、プロジェクト管理者の義務は上記の目的を達成することですが、以下の点について悩むのではないでしょうか。

・    品質向上のための開発支援ソフトウェアを利用したい
・    コストは最小限に抑えたい

コストを無視すれば、価格に糸目をつけずに商用の開発支援ソフトウェアをプロジェクトに導入すればよいのですが、プロジェクトのコストを考えると現実的ではありません。

ソフトウェア品質向上の現実的なアプローチとしては、開発支援ソフトウェア導入費をプロジェクトが負担するのではなく、事業部門や全社で負担し、すべてのプロジェクトに適用するなど、全体最適の視点で推進することが多いと思います。

しかし、どこでコストを負担するにしても、開発コストを最小限に抑え、最大限の品質を得たいと考えるのが一般的ではないでしょうか。

数年前は、開発支援ツールは商用のソフトウェアを購入して利用することが一般的でしたが、Eclipse の普及とともに、有償の開発支援ツールを利用するマインドは下がってきています。

ここでいう開発支援ツールは、開発者がプログラムをコーディングしたり、コンパイル、デバッグをするツールです。

開発者が利用するソフトウェアは、これ以外にも多様なものがあり、それらは前回のコラムで紹介したとおりです。

無償の開発ツールの普及に伴い、設計やテストに用いるソフトウェアについても OSS ベースの無償で利用できるソフトウェアへのシフトは明らかに進んでいます。

OSS の開発支援ソフトウェアは、プロジェクト管理者(または上級管理者)の悩みを解決する実現策のひとつになっています。

開発者が利用できるOSS

あらゆるケースで OSS が商用の開発支援ソフトウェアに取って代われるとは限りませんが、各開発工程で利用できる OSS が増えてきているのは事実です。

商用のものよりも機能面で劣るものの、必要最低限の機能は備えているという OSS も少なくありません。

どこまでの機能を求めるかは、利用者が決定することなので、自社に OSS の開発支援ソフトウェア導入を予定している方は、一度、それぞれのソフトウェアの機能をチェックしてみることをお勧めします。

OSS として提供されている代表的な開発支援ソフトウェアを以下にまとめました。

下記の表にあるもの以外にも多くの OSS があります。

代表的な OSS 開発支援ソフトウェア
代表的な OSS 開発支援ソフトウェア
*クリックして拡大



上流工程の開発支援ツール

コーディング、コンパイル&テストのためなどにプログラマーが利用する開発支援ツールの OSS 化は、すでに一般化してきているように思えますが、上流工程(要件定義や設計)に利用できる開発支援ソフトウェアも増えてきています。

上記の表の#1〜#6が、上流工程向けの開発支援ソフトウェアです。

「Eclipse UML Free Edition」に代表される UML(注1)モデリングツールは、数多く存在します。私も UML モデリングツールはよく使っており、以前は商用製品の「Rose」(IBM社 製品)を愛用していましたが、最近では、OSS のものを使うことが多くなりました。

ただし、前述したとおり、利用する機能によっては現在も Rose を使う場合もあり、使い分けています。

UML で表現できる適用範囲は非常に広く、業務分析からプログラムの詳細な設計まで、モデリングが可能です。

しかし、OSS の UML モデリングツールは、開発者が使う機能が充実している反面、業務分析などに使う機能を備えているものが少ないという傾向があります。

よって、用途と機能のバランスを見きわめたうえで、利用するソフトウェアを選択することが重要です。

一方、商用の開発支援ソフトウェアについては高価格な製品が多いので、コストパフォーマンスの観点も重要な選択基準になります。

また上記のモデリングツールの他、ビジネスプロセスを表記するツールとして、「Intalio|Designer」(表の#1)があります。

このツールは、ソフトウェア視点ではなく、ビジネスプロセス管理の視点から組織、情報、IT などをモデル化するツールです。

組織改革に伴う IT の刷新などを行う場合には、このように大きな視点でのモデル化が必要となます。ビジネスプロセスをモデル化することを“Business process modeling”(BPM)といいます。

このように、今まで商用のソフトウェアでしか実現できなかった分野でも、今後は OSS 化した無償のソフトウェアで実現可能となる事例が増えることと予想されます。

開発支援ソフトウェア導入の選択肢を広げるためにも、最新の OSS 動向をチェックし、情報収集をすることが重要となります。

注1
“Unified Modeling Language”(統一モデリング言語):ソフトウェア工学におけるオブジェクトモデリングのために標準化した仕様記述言語である。UML は、グラフィカルな記述で抽象化したシステムのモデル(UM Lモデル)を生成する汎用モデリング言語である。要件定義やソフトウェア設計に用いる各種のモデルの仕様が定義されており、現在は標準化団体の OMG(Object Management Group)が管理している。

記事提供:サイオステクノロジー株式会社
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