パブリック - テクノロジー

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QR コードで備品管理の効率改善を図る

総合技術研究所 佐藤一広
2006年3月15日 / 00:00
 
QR コードとは
先端テクノロジの技術ペーパーに今更 QR コードはないだろう。そういう向きもあるかとは思う。しかし業務上あるいはビジネスとして本格的に活用されていると言えるだろうか?

QR コードは携帯電話などで URL 入力の手間を省くなどの目的で使われており、最近は雑誌やポスターなどで頻繁に目にするようになった。このような利用のされ方や見た目から受ける印象とは裏腹に QR コード自体に含まれる技術は高度なものである。

QR コードには、位置置検出パターン(切り出しシンボル)とタイミングパターンが含まれており、高速な読み取りや 360度どこからでも読めるといった読み取り方向の補正を実現している。さらにリード・ソロモン符号により30%もの誤り訂正能力(レベルH)を持ち、汚れや破損に強いなどの特徴を持つ。

また、とかく1次元バーコードと比較されてしまうわけだが、はるかに小さい面積に日本語を含む大量の文字(数字なら4,296文字、漢字なら1,817文字)を持たせることや、制御情報を埋め込む(URL 転送などはそのプロトコルにのっとっている)ことができ、バーコードとは桁違いの情報量をもつ。

備品管理とは
さて備品管理であるが、そもそも備品管理とはどのようなものか。これは企業や工場などで使われる機器や什器の所在や諸元、利用者や利用状況などを記録・更新・参照するというものである。特に企業における備品や什器の現物確認(棚卸し作業)は、税務上の資産管理の面から必須事項とされている。また「備品や什器が何処にあり、誰が何の目的で利用しているのか」を把握できていれば、管理者は無駄な資産の削減や再利用などを推進することができ、利用者は探索や交渉などの手間を省くことができる。

しかしながら、備品管理を行うことはそう簡単ではない。管理台帳が紙だけの企業も多い上に、ある程度システム化されているところであっても、データ入力作業負荷が大きい、見間違いによるデータ投入ミスから再検査が必要、移動におけるデータ入力の不連動からリアルタイムでの情報更新・照会ができない、等々、数多の問題がある。

QR コード選定の理由
個体識別といえば、昨今では当たり前のようにICタグが取り上げられるわけだが、備品管理業務にタグを適用するにはいくつかの課題がある。まずひとつは単価が高いことである。つぎには電波障害による読み取り精度の低下が挙げられる。

管理対象の機器が、肉や野菜などであればともかく、鉄製ラックに設置された PC などでは電波による読み取りは非常に困難である。読み取れたとしてもかなりリーダを近づける必要があり、せっかく非接触式のタグを利用しても数ミリから数センチまでリーダを近づけるのでは意味が無い(アクティブタグでは電源の供給に課題がある)。

対して QR コードリーダはバーコードリーダで培われた技術の蓄積がある上に電波は用いないため、前述のような環境でも数十センチ以上遠ざけても読み取ることができる上に、読み取り速度も非常に高速である。また、既存のプリンタで印刷することも可能なのでコストを低く抑えることができる。このような理由から備品管理には QR コードを用いることが妥当であろうと判断した。

QRコードを用いた備品管理
QR コードを用いた備品管理の仕組みは非常に簡単である。

位置を表す QR コードをラックや机に貼り、備品の識別のための QR コードを備品に貼り付ける。その上で QR コードリーダを用いて場所と備品に貼り付けたコードを読み取っていく。これだけだ。シンプルで低コスト、操作に習熟は不要である。

この仕組みを適用した某企業は、備品管理のシステムは導入されていたものの、その入力は旧態然とした目視+紙への手入力+キーボード入力(転記)という手段を用いていた。面倒な上に毎年のことなので、かかる工数は莫大なものになっていたが、QR コードを用いた管理を行うことで60%もの効率改善を図ることに成功した(執務フロアと機械室での実証実験結果)。

総務系業務への展開
ここで紹介した例は備品管理のみだが、同様の仕組みは他の総務系業務、たとえば会議室予約や蔵書管理などにも適用でき、効率改善が行えると考えている。

また最近では農林水産省がすすめる「ユビキタス食品情報基盤システムの実証事業」においても QR コードが利用されている。このように業務よりの局面で使われるようになれば、単なる URL の簡単な入力というだけではない、別の形での利用拡大が図れるのではないだろうか。

(*)QR コードは株式会社デンソー ウェーブの登録商標である。株式会社デンソーの開発した日本発のテクノロジだが、現在は JIS(JIS-X-0510)あるいは ISO(ISO/IEC18004)でも規格制定されている。

佐藤 一広
総合技術研究所
先端技術部
上席研究員


提供:日本ユニシスユニシス

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