米国スミソニアン学術協会の研究者は2013年9月18日、電子書籍リーダーが失読症(ディスレクシア)の人の読書を手助けできるとする研究結果を発表した。

失読症には様々な種類があり、電子書籍リーダーはそのすべての症例に効果があるわけではないという。だが少なくとも、一般的な紙の書籍では1ページあたりの行数、あるいは1行あたりの文字数が多過ぎるため、文字の認識ができなくなるタイプの失読症には効果があるそうだ。

同研究を指揮したスミソニアン宇宙物理観測所の Matthew H. Schneps 氏は次のように説明している。

「調査対象となった視覚的注意に問題を持つ失読症の人のうち、少なくとも3人に1人は、電子書籍リーダーの利用で読書能力に改善が見られた」

Schneps 氏が率いる研究者チームは、iPod touch などの小型のデバイスを利用して失読症の人の読解力を調査。多くの場合、電子書籍デバイスの利用は、読書速度だけでなく、テキストの読解力も向上させることがわかったという。

研究者チームが調査対象としたのは、米国ボストンの Lnadmark 高校に通う失読症の生徒103人。チームは生徒達に、紙に印刷されたテキストと、1行に2〜3語だけを表示するよう設定された電子書籍デバイスを渡し、それぞれのテキストに対する理解力をテストした。その結果、電子書籍デバイスでテキストを読んだ場合の方が、紙に印刷されたものを読んだ場合より、読書速度と理解力が飛躍的に高まることが明らかになった。

研究者チームは、数語だけを表示する小さなデバイスの小さな画面は、ページ全体に文字が印刷された紙の書籍よりも、読者のフォーカスを狭め、集中しやすくし、混乱を避けることに効果があると述べている。

スミソニアン学術協会では、失読症の生徒を持つ親や教師を対象にした、電子書籍リーダーの設定方法を伝える Web サイト「Read Easy」を公開している。同サイトには、http://readeasy.si.edu/ からアクセス可能だ。

失読症の人に向いた設定(出典:スミソニアン協会 Web サイト)
失読症の人に向いた設定(出典:スミソニアン協会 Web サイト)

失読症の人に向かない設定(出典:スミソニアン協会 Web サイト)
失読症の人に向かない設定(出典:スミソニアン協会 Web サイト)

同研究は、科学雑誌 PLOS ONE で全文が公開されている。