火星の地表を歩くには、宇宙服の着用が必須だと考えられている。だが、火星は月とは異なり、夏の昼間の気温は27度前後。また、わずかながら大気も存在している。火星での生活に、本当に宇宙服は必要なのだろうか?

もし火星に T シャツとジーンズで出かけたら、どれくらい生きられる?― NASA が回答
火星で宇宙服なしで生きられる?(画像出典:NASA/JPL-Caltech)

米メディア Business Week Insider の Dina Spector 氏はこのような疑問を持った人の1人。Spector 氏は、NASA ジェット推進研究所にこの疑問を E メールで送信、同研究所の Chris Webster 氏から回答を得た。同メディアが公開した Webster 氏からの回答は次の通りだ。

「最も深刻な直接の人体への影響は、気圧の低さに起因するものだ。火星の気圧は、地球に比べれば真空に近く、数分で皮膚や臓器が破裂し、身体から気体が放出され、苦しみながら死ぬことになるだろう」

残念ながらジーンズと T シャツでは、人間は数分しか生きられないそうだ。

気圧の低さに耐えられたとしても、宇宙服を着用しない限り、人類の生存に向かないその他の多くの環境要因によって、いずれは死ぬことになるという。

「火星に渡った人類は、酸素不足(地球の大気には20%の酸素が含まれるが、火星ではわずか0.1%)、非常に低い地表温度、至る所にある刺激性の強い埃、強力な紫外線放射と戦わねばならない。このような環境で、食物や水を探さなければならないのだ」

オランダの「Mars One」による火星移住計画には非常に多くの人が応募している。だが、火星への着陸に成功した場合でも、ジーンズと T シャツで地表を散歩することはできなさそうだ。

Mars One による火星移住計画(イメージ)
Mars One による火星移住計画(イメージ)