NASA の火星探査機「Curiosity(キュリオシティ)」着陸後、フライトディレクターの David Oh 氏の家族は火星時間での生活を試みている。米国メディア Huffington Post が伝えている。

火星へのミッションが実施されている期間中、一部の科学者やエンジニアが火星時間で勤務することはこれまでもあった。だが、一家族全員が火星時間での生活を試みるのは、おそらくはこれが初めてのケースだという。

火星時間での生活を開始した Oh 氏の家族は、妻の Bryn さん、13歳の Braden 君、10歳の Ashlyn さん、8歳の Devyn 君の5名。火星探査機 Curiosity が開発された「NASA ジェット推進研究所」の近くにある Oh 氏の家で取り組んでいる。昼の間、ベッドルームの窓はアルミフォイルでカバーされ、外の光を遮断しているという。また、家の中のデジタル時計は常に火星時間を示しているそうだ。

NASA 技術者の David Oh 氏、「キュリオシティ」の火星着陸後に家族で火星時間での生活を開始
火星時間での生活を試みている David Oh 氏一家
(出典:Huffington Post)

火星の1日は地球の1日よりも少し長く、24時間39分35.244秒。これにあわせて生活をすれば、毎日40分ずつ地球時間とずれていくことになる。就寝時刻や食事の時刻も毎日40分ずつ遅れていく。過去の体験者は、時差ぼけが永遠に続くようだと語っているという。

技術者である Oh 氏はこのような環境に慣れているだろう。だが、子どもたちの様子はどうなのか?

実験が始まる前、子どもたちは夜は11時半に就寝し、朝は10時頃に起きていた。だがいまでは、地球時間の昼の3時頃に朝食、夜の8時に昼食、深夜の2時30分にディナー、朝の5時にデザートを取っているという。

奥さんの Bryn さんは、変則的な生活の中で子どもたちが健康状態を崩さないように、子どもたちの歩数、消費カロリー、睡眠のパターンを記録しているという。また、運動量を維持するために、深夜に近所へナイトハイクへ出かけることもある。Bryn さんは実験開始から2週間後、次のように語っている。

「家族は一日中時差ぼけを感じている。だが、健康状態は良好だ」

3人の子どものうち、火星時間生活への対応にもっとも苦労しているのは、Asylyn さん。彼女は、いつも火星時間よりもかなり早く起きてしまうそうだ。

「実験は素晴らしい。でも、とても疲れる」