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「IT×環境」は来るか?

須田仁之
2008年11月13日 / 09:00
 
洞爺湖サミットから幾月が経ち、初秋に入って、若干、温暖化熱は冷めてきたものの、各大手メーカーの TVCF に代表されるように「環境」というキーワードは引き続き、国内で聞かない日はないぐらいだ。

現状発信企業の多くは大企業であり、メーカー(家電、電力ほか)が主であるが、北米では IT 企業の雄 Google が環境問題への取り組みを積極化し、太陽光や地熱といった代替エネルギーへの投資開発プロジェクトを進めている。

日本においても、大手ポータルサイトが「エコ」をコンテンツとして取り扱い始めているが、市場はまだまだ「これから」というところだ。

そんな中、注目を集めているのが「カーボンオフセット」という仕組みだ。

ジーコンシャス株式会社 代表取締役 井手敏和氏
ジーコンシャス株式会社
代表取締役
井手敏和氏
今回はカーボンオフセットプロバイダであるジーコンシャス株式会社の代表であり、カーボンオフセット協会の初代会長でもある井手社長に、今後の日本国内における「IT×環境」のマーケットについておうかがいした。

須田:井手さんは以前シリコンバレーにもいらっしゃったということで、米国の状況もよくご存知ですが、米国 IT 企業の「エコ意識」はどんな感じなんでしょうか?

井手:シリコンバレーの IT 起業家たちも環境に対する意識はかなり高いですね。

ネットスケープの創業者のジム・クラークは、引退後、自分でベンチャー投資ファンドを立ち上げてすでに投資実績をつんでいるのですが、投資先は「IT」ではなくて、「エコ」であり「ロハス」の分野なんです。

クリーンテックと呼ばれるエネルギー、環境関連の投資は非常にホットです。今、シリコンバレーは「ソーラーバレー」なんて呼ばれています。クライナーパーキンスというシリコンバレー随一のベンチャーキャピタルのアドバイザーにはアル・ゴアさんが名を連ねています。

また、Google も太陽光や地熱といった代替エネルギー技術への投資を検討していると発表しています。

IT だけでなく、やはりこの分野でもアメリカが1歩も2歩も進んでいるような気がします。

電気自動車で、ポルシェなみの性能を持つ Tesla Motors には、Google の創業者も出資しています。日本の自動車メーカーだと基礎技術から開発するので膨大な開発費と時間がかかりますが、テスラの場合は、携帯で使われるようなリチウム電池を数千集めれば電気自動車は実用化できる、という現実路線と発想の転換があり、スピード感がありますね。

須田:なるほど。御社の事業でもキーワードとなっている「カーボンオフセット」ですが、最近いろんな企業が取り組み始めて、耳にすることが多くなってきましたね。

今のところ、家電メーカーや運輸といった CO2 排出インパクトが大きい企業が目立っていますが、IT 業界での取り組み状況はどうなんでしょうか?

井手:国内の IT 企業さんも積極的になり始めています。ポータルサイト大手の Yahoo さんも「Yahoo! カーボンオフセット」「Yahoo! JAPAN アースプロジェクト」を立ち上げていますし、環境 goo もコンテンツが充実してきています。

また、弊社が事業会社様と協力して展開しておりますが、サーバーレンタルにカーボンオフセットを付与するなど、個別の IT プロダクトに付与されるケースも出てきました。

須田:なるほど。一方で、話題先行型でビジネスという観点では「一体どうマネタイズするのか?」という意見もチラホラ聞くのですが、このあたりはいかがでしょうか?

井手:インターネットが登場したとき、初期の IT 企業も「企業が HP など作って一体儲かるのか?」と言われてましたよね。ここ15年ぐらいでここまでインターネットやモバイルといったメディアが進化するとは誰が想像できたでしょうか?

また、インターネット勃興期と同様、「エコ」をテーマにチャレンジしようという人が全世界的に増えていることが鍵になると思います。

いずれ電気自動車もデファクトになると思いますし、この流れは始まっていると思います。

そういった環境の下、ビジネスのタネはたくさんあると思っています。技術革新に伴うものだけでなく、サービス面、メディア、マーケティング、コンサルティングなど様々な事業ニーズが出てくると思っています。

須田:ちなみに、社名(ジーコンシャス)の由来は、どこからきてるのですか?

井手:eコマースなどに代表される“e”の時代、iモード、iPod など“i”の時代を経て、その間に位置する“g”を環境や地球温暖化への取り組みの象徴とし、個人や企業のグリーン意識の向上に貢献する、ジーコンシャス(gConscious)という社名にはそんな決意を込めました。

須田:最後に一言、ございましたら。

井手:エコやグリーンなビジネスは、全く新しいことを始めることではありません。むしろ、既存のマーケットをどうグリーン化するか、という発想が必要だと思っています。

消費者の意識が変わり、消費の選択の価値観が変わることが、企業を動かします。その意識変革には、IT の仕組みが効果的だと思います。カーボンオフセットにしても薄く広く、ボランタリー(自主的)にみんなが負担するには、既存の広告モデルやアフィリエートと組み合わせることも有効です。今後消費者のエコ生活を支える IT 系のエコツールは充実してくると思います。

ジーコンシャスも、おかげさまで11月で創業1周年を迎えますが、2年目は色々なカーボンオフセットのサービスモデルにチャレンジするとともに、グリーン&オーガニックな選択を促すビジネスを色々仕掛けて行きたいと考えています。

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iの時代、eの時代から、gの時代へ。

また、「もったいない」に代表されるように日本のカルチャーにもマッチして、世界で戦える産業やベンチャー企業が作られる予感がしました。(須田)
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