Finance

ファイナンス

iPhone vs Android、PC を超えるプラットフォーム争い

芳川裕誠、監修:Chen Shin
2008年3月13日 / 13:40
 
■iFund - iPhone 専用アプリケーション向けファンド

今月6日、Apple 主催の iPhone 用 SDK 発表イベントの場で、 Kleiner Perkins の John Doerr により iPhone アプリケーション専用投資ファンド、 “iFund”の組成がアナウンスされた。

iPhone SDK を利用したアプリ開発を行う企業向けに用意されたこの総額1億ドルのファンドは、 ロケーションベースサービスからモバイルコマースまで、 あらゆる iPhone アプリを投資対象とするのだそうだ。

Kleiner Perkins は、 シリコンバレーにおけるトップベンチャーキャピタルとして知られる。 過去には Sun Microsystems、AOL、Amazon.com、 そして Google への投資を通じて、 特にインターネット分野でのニュービジネス創出に大きな力を発揮している。

その Kleiner により、 特定 Platform 向けとしては異例な額の Fund が作られたことは、 iPhone 周辺から大きなビジネスが生まれる萌芽として注目すべきであろう。 Doerr 氏によれば、iPhone は PC を超えるプラットフォームになるという。

■Android Developer Challenge

一方これに先んじて、 Google 主催により Android プラットフォーム向けアプリケーションの開発コンテスト、 “Android Developer Challenge”が目下開催中である。 このコンテストでは、上位50位までの受賞者に、 総額1,000万ドルの賞金が提供される。

Android プロジェクトは、 携帯端末オープン化のため Google が打ち出した新機軸である。 Android の普及団体 Open Handset Alliance の名前が示すとおり、 ハード〜ミドルウェアまでの端末のオープン化と、 それに伴うコモディティ化がより進展することは間違いなく、 これをプラットフォームとした新たな巨大マーケットが創出されるであろう。

デバイス、ミドルウェア、ワイアレスキャリア各社が加盟する Open Handset Alliance の組成により、 専用端末を前提とする iPhone アプリよりも、 Android のほうが、オープンで広範な発展が期待できるかもしれない。 両者の競争は、 かつて Mac と PC/AT 互換機+Windows が繰り広げた、 パーソナルコンピュータ市場でのプラットフォーム争いを彷彿とさせる。

■モバイルビジネスの障壁

自由で安価なインターネットアクセスは、 すべての Web サービス提供者の事業基盤である。 固定通信網の世界では、 インターネットサービス以前からすでにオープンアクセスが保障されており、 サービス事業者もユーザーも、特段これを意識することはなかった。

これとは対照的な状況といえるのが携帯電話であった。

インターネットとほぼ同時期に発展を見せたモバイルネットワークは、 日本を含めほぼ全世界で、 インフラからサービスまでを網羅する垂直統合型事業として、 通信キャリアによる独占が続いた。 キャリア認定の公式コンテンツ制度と通信料の従量課金は、 インターネットサービス提供者にとっての二大桎梏(しっこく)であろう。

Google は、 日本における KDDI や NTT ドコモとの提携など、 ある意味既存の垂直統合型ビジネスに取り込まれる形での事業開発を行う一方、 モバイルインフラそのものをおさえる動きも開始した。

同社の米国における 700MHz 帯周波数オークションへの参加は、 垂直統合型モバイルビジネスへの参入意図表明であった。 キャリアビジネスそのものよりも、 モバイルの世界における固定網同様のオープンアクセスを実現するショーケース作りが、Google の狙いなのではと思う。

そして、 垂直統合型事業が障壁であったモバイルネットワークにおいて誕生した Android。 一時は“GPhone”を作るのではないかと噂されていた Google は、 携帯端末ではなく、 オープンなモバイルソフトウェアプラットフォームの提供者となった。

■新モバイルサービス市場の創出

iPhone と Android の SDK、 時期をほぼ同じくして登場した2つのモバイルソフトウェア開発基盤は、 世界中で利用され得る新たなサービス誕生を予感させる。 Apple や Google 自体のソフトウェアやサービスも、 新プラットフォーム上での主要な地位を占めるであろうが、 当の両社自身が、新サービスの発掘・支援に最も意欲的だ。

両社の支援体制や専用 VC ファンドの組成により、 新プラットフォーム上でのビジネスを狙うベンチャー企業への、 良好な環境が整いつつある。 モバイル利用先進国といわれる日本からこの新市場に打って出る、 新たなテクノロジーベンチャーの登場を期待したい。

記事提供: 三井ベンチャーズ
【関連記事】
『iPhone』関連の製品とサービス向け1億ドルの基金『iFund』
2008年−IT 業界波乱の幕開け

New Topics

Special Ad

ウマいもの情報てんこ盛り「えん食べ」
ウマいもの情報てんこ盛り「えん食べ」 「えん食べ」は、エンジョイして食べる、エンターテイメントとして食べものを楽しむための、ニュース、コラム、レシピ、動画などを提供します。 てんこ盛りをエンジョイするのは こちらから

Hot Topics

IT Job

Interviews / Specials

Popular

Access Ranking

Partner Sites