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日本で初めてオープンソースビジネスを展開――「SNS は次の形へ」株式会社手嶋屋 手嶋守社長

須田仁之
2007年11月19日 / 10:00
 
mixi の大ブレイクに始まり、携帯電話向けのモバゲーなど、インターネット上での SNS 的なサービスは、日々進化をとげ、「新たなメジャーメディア」として成長している。

その中でも「オープンソース」という形で、エンドユーザーに SNS エンジンを無料提供している会社が株式会社手嶋屋だ。

彼らの提供する「OpnePNE」はいまや、ASP 提供も含めて2万5,000 SNS 以上を突破する勢いである。

株式会社手嶋屋
代表取締役 手嶋守氏
手嶋社長に今後の事業ビジョンや SNS マーケットの将来像について話をおうかがいした。

須田:mixi の流行に始まり、SNS は今後細分化されていく傾向があるようですが、今後はどのようになるとお考えですか?

手嶋:細分化が進むという流れは間違いないと思います。

実際に今、OpenPNE は数万人で100万PV/day オーバーの大規模な SNS から家族4人だけといった小さな SNS まで、2万5,000種類以上のサイトで使われています。

日本で SNS といえば、mixi やモバゲーなどのマス型のエンターテインメントサイトを指すのが一般的でした。SNS で得られる良質なコミュニケーション体験は、エンターテインメント系だけで使われるのはもったいないと思っていたので、この細分化の流れは、私たちの望んでいた通りになっています。

須田:その中でも親和性の高いセグメントはどのようなものになるでしょうか?

手嶋:私たちが今関わっている中で1番活性化している SNS は、オンラインゲーム、アーケードゲーム、アニメ、そしてゲイの SNS です(笑)。

多少のタブーが含まれるコミュニティの方が、SNS の閉じられた空間の中では発言しやすいようです。それぞれのコミュニティや組織に配慮した運営をしている SNS は盛り上がりますね。

オンラインゲーム SNS は、ゲーム内のキャラクターのままログインできるようにしてあります。これによってゲームの世界観のままで SNS 上で話し合える等の配慮ですね。それ以上の大きな機能変更は極力避けています。SNS 利用者は機能的な違いよりも、話し合う内容や、どんな人と SNS 上で交流できるか、と言うことの方が重要なようです。

須田:なるほど。社内 SNS については、どうお考えですか?

手嶋:社内 SNS は OpenPNE で利用されている SNS としては、一番伸びていると思います。残念ながら社内 SNS は企業のイントラネットに置かれることが多いので、外部か ら計測することは出来ませんが、近頃本当に良く聞くようになりました。

大きな企業の導入事例としては、東京海上日動あんしん生命保険さん、NEC さん、アシストさん等が公表されています。

ほかにも多く導入されているのですが、OpenPNE はオープンソースという性質上、社内の有志で立ち上げるケースが多いため、公表できない事がほとんどです。

手嶋屋的にはどんどん事例を公表してほしいところなのですが…(笑)。

ただおもしろいことに、社内 SNS は有志で立ち上げた物の方が、会社が公式に提供する SNS よりも運営に成功することが多いです。

須田:そもそも「オープンソース」でエンドユーザーに無料で配る、というビジネスモデルですが、今後どのような展開をお考えでしょうか? ベンチマークにされている事業モデルなどはありますか?

手嶋:手嶋屋はとても小さな会社ですが、実はインフラ事業をやっているつもりです。

OpenPNE はあらゆる組織コミュニケーションのプラットフォームにしたいと考えています。このプラットフォームを無料で配ることで、インフラを整備しています。その後インフラの上で発生するサービス業で収益を上げていく予定です。

今私が参考にしているのは Firefox のビジネスモデルです。

Firefox も OpenPNE と同じオープンソースソフトですが、検索バーから検索され、最終的に発生した広告費用のキャッシュバックで売り上げを立てています。

オープンソースプロジェクトが数十億円を売り上げているのには驚きました。

ソースを無料で配っても十分収益につながるチャンスはあると思います。

みんなが無料で便利に使いながら、収益になるというのはすばらしいです。楽しく仕事やプログラミング作業をしていきたいので、このモデルに賭けています。

須田:「手嶋屋メソッド」と称して、独自の仕事術というかいろいろ組織的に工夫されているようですが、おススメのメソッドを教えてください。

手嶋:私は個人的な時間管理や仕事術などは、全く不得意ですね。

会社として組織的に利用している物と言えば

・Skype チャットルーム
・TRAC+Subeversion
・OpenPNE
・マインドマップ(FreeMind)
・メーリングリスト


ですね。この中でもおすすめと言えば、ダントツで Skype チャットルームだと思います。

Skype は最近のバージョンから、チャットルームを作れるようになりました。これがめちゃめちゃ便利です。使わない手は無いと思いますよ。

須田:さて、ではベンチャー企業として IPO については、どうお考えでしょうか?

手嶋:手嶋屋が今目指しているのは徹底的な OpenPNE の普及です。

オープンソース方式は、みんなで楽しく開発しながら、普及が進んでいくので、あんまりお金がかからないんですよ。

2010年までの OpenPNE の普及段階では、IPO 前提の資金調達による会社の運営は考えていません。

プラットフォーム化と平行して新事業を立ち上げます。その段階で、資金調達を検討します。

須田:なるほど、ちょっと話はそれますけど、手嶋社長は小さい頃はどんなお子さんでしたか?

手嶋:小学校4年生の頃の先生が今ベトナムボランティアをやっていて、私とマイミクなのですが、その方からの紹介文では…

「好きなことは、徹底して勉強しましたが興味のない科目はしませんでした」

という子供だったみたいです。

自分でも覚えてるのは、小学校1年生の時に、この世にはワープロという便利な道具があるらしい事を知って、漢字を覚えることをやめたことと、小学校4年生の時に、地図帳見ればいいやと思ったので、都道府県を覚えるのをやめた事です。

判断力だけは結構自信があるので、この決断は良かったと思っています。こんな私でも、本も書かせて頂いていますし、ほんとワープロのおかげです。

強いてデメリットがあったと言えば、高校入試で願書に住所を書く時、板橋区の“区”の字を間違えてコって書いてしまい、願書をダメにした、ぐらいだと思いますね。

須田:最後に伝えたいことなどありましたら、お願いします。

手嶋:2010年までに OpenPNE ベースの SNS を15万種類作り、1,500万ユーザーに使ってもらう事を目標に、OpenPNE プロジェクトを進めています。

興味を持たれた方は、是非サイトをご覧ください。

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インターネットの本質は「オープンなプラットフォーム」である。手嶋さんのような理念を持つ会社が、「日本発の海外でも戦える IT 企業」になっていくと、IT 業界も自動車産業のような世界で戦える産業になれるのだと思います。(須田)
【関連記事】
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