Finance

ファイナンス

好況の頂点ではどうなるか?

桜井信一郎
2004年5月10日 / 00:00
 
当面のテクニカル的な達成感を迎えたこのところの株式市場は、 頭が重い展開となっています。 1989年からスタートする長期の下落トレンドラインを前に、 これを超えようかどうか迷っているという具合にも見えます。 超長期の下落トレンドラインは日経平均で1万3,500円前後、 TOPIX では1280前後に存在しています。

歴史は繰り返すと言います。 人間社会に関わる事象の反復傾向は、 人間の普遍的な「性格」が背景となって生じているからでしょう。 どれほど技術が発展しても、 個人の知的レベルが高まろうとも、 群集としての人間の性格は、 今も昔もそう大きく変化しないということでしょうか。

現状の経済レベルで、 5年から10年周期の好況の頂点について考えるのはまだ早すぎる、 あるいは素っ頓狂とも思いましたが、 社会事象の反復性の観念を前提にして、 今回は、好況の頂点で市場や社会ではどのようなことが起きるのか、 株式市場が上昇基調に入って一年の現在、 前もって考えておきたいと思います。

マクロ経済が大きく好況か不況に触れると、 まったく新しい世界が始まったという錯覚が投資家心理を支配し始め、 「さあ、すごい時代が始まるぞ! この好況はずっと続く」と思ったりするものです。そして、そう思った時こそ好況の頂点だったりします。

こうした錯覚を正当化するツールが投資理論で登場したことがあります。 80年代のバブル時代には「Qレシオ」(株価を1株あたりの純時価資産で割ったもの)、また2000年初頭のミニバブルの時には「PSR」(株価を1株あたりの売上で割ったもの)という指標が登場しました。

しかしいずれもすでに普遍性を失っていることは、 皆様ご存知のことだと思います。

こうした正当化ツールは幻想が長期化して、 幻想と現実の区別が困難となる終盤局面に登場しますが、 そのときの高騰局面にある株価の相対的な割安度を測る意味でのみ、 有効性を発揮しています。

このニュアンスの延長線上に立って、 超長期的な視点から資本主義システムがインフレ的なバブル要素を常に内包していると考えれば、 PER(株価を1株あたりの収益で割ったもの)といった伝統的指標も、 バブル要因を含んでいるのは間違いないでしょう。

もちろん資本主義システムの存在を前提に投資しているので、 この指摘はまったく無意味です。 ただ、インフレの存在が前提になっている世界にいるとの認識は、 健全な世界観を持つ意味で必要だと思うので(つまり永続的なデフレはありえないはず)、 このことも加えて指摘しておきます。

少し話がそれましたが、 好況の頂点が近くなると、 他にどのようなことが起きるのでしょうか。

株価指標といったマニアックなものでなく、 もっと身近なものから探ってみようと、 筆者の薄い記憶を辿ってみました。

とくに記憶に猛烈に鮮明だったのは、 80年代後半でバブルも絶頂の時に、 NHK ニュースで「タンゴが静かなブーム」という特集をやったあと、 当時のキャスターがコメントとして「タンゴが流行ると景気に暗い影が落ち始めるようです」といったニュアンスのことを言っていたことを思い出しました。

タンゴのような情動的なリズムには、 好況時の人間の心理状態を引き寄せる何か普遍的な関係性がありそうなことは、 容易に想像できます。 今口にすると恥ずかしい「イケイケ」な曲の流行も、 社会の怖い物知らず的な心理状況を反映していたようにも思え、 リズムやダンスの流行内容と景気の位置には、 相当の相関性があるのではないかと推論しました。

また、亡国の真っただ中にあるときは(株式市場は下落基調)、 それ以前の社会の貞操観念を壊滅的に破壊する「踊り」が流行する、 という傾向もあるようです。 (90年代初頭のジュリアナとジュリセンの大流行、 古くは戦国時代の亡国踊りなど)。

音楽も極端に細分化してしまい、 無粋な筆者には現代の流行がどのようなものなのか想像できませんが、 このような理由付けでも考えないかぎり、 最近の音楽に正面から向かい合おうと思わないことは、 なんだかんだで社会全体を巻き込むような「ムード」がまた登場していない、 ということを象徴しているようにも感じます。

しかし、マクロの崩壊の可能性と同時に、 筆者が単に音楽的に老けたという可能性も残るので、 上段の筆者音楽分析は無視して、 ご自身の感性で現在のミュージックシーンを研究されることをお勧めいたします。

(記事執筆:桜井信一郎)

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