E-コマース

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携帯アフィリエイトもガラパゴス?

深谷良孝
2009年12月16日 / 10:00
 
日本の携帯電話市場はガラパゴス市場といわれて久しい。南太平洋のガラパゴス諸島では、亀やトカゲが島ごとに異なる環境に適応し特異進化した。日本の携帯電話端末は技術的には最先端であるかもしれないが、世界の標準規格と乖離している。

併せてその上で展開されるデジタルコンテンツやモバイルコマースも独自のケータイ文化を形成している。海外メーカーの参入は困難となり、市場が成長段階ではキャリアのサポートもあり、国内メーカーにとっても居心地の良い市場であった。しかしながら一旦市場が飽和、成長が止まると、海外への転進もできず、袋小路に陥ってしまった。

世界標準規格とはなってはいないかもしれないが、携帯電話端末という小さなデバイスの限られた容積に、日本人の「縮みの職人芸」の特技を活かし、電話に加えてカメラ、ビデオ、オーディオ、テレビ、GPS、FeliCa など各種機能を詰め込んだ上、モバイルコマースやデジタルコンテンツの有料課金など、日本が携帯電話での独自ビジジネスモデルや文化を創出・リードしてきたことは間違いない。それらの成果はアンドロイド携帯や iPhone などのスマートフォンとして標準化・モジュール化されながら、世界に継承・普及されつつある。

では携帯アフィリエイトはどうであろうか? こちらも PC アフィリエイトと違い、ガラパゴス市場として独自の発展をしてきた部分が大きい。携帯アフィリエイトの企業別マーケットシェアは PC アフィリエイトの物とはかなり異なる。

PC アフィリエイトの大手事業者もかなり早い段階で携帯アフィリエイトに参入しているが、そのシェアは携帯アフィリエイトの専業者と比較して大きくない。その理由としては、トラッキングの技術ならびに主たる広告主が PC のものとかなりデバイドされており、PC での優位性を活用することができなかったことが考えられる。

初期の携帯電話端末におけるインターネット利用については、次のような点で PC とは異なる。

技術:
・デバイスの CPU/メモリーなどのスペックが PC と比べて著しく低い
・通信速度が遅く、パケット通信料がかかる
・PC の標準トラッキング技術である Cookie を利用できず、セッションでのトラッキングが中心
・画面が小さく、解像度も低く、単一ウインドウに限られる
・広告を配信する仕組みとして JavaScript、iframe などのタグは利用できない
・勝手サイトには公式サイトと比べてユーザー識別コード(UID)を取得できないなど制限があった

構造:
・検索エンジンではなく、キャリアメニューがトラフィックの基本導線
・主たる商材が有料デジタルコンテンツ、人材、金融などの登録系
・ユーザー層が PC に比べて若年層に偏っている
・アフィリエイトのリンク設定などを、携帯電話端末で完結させるのが困難
・公式サイトやパスワードロックがかかっているサイトの場合には検索エンジンロボットの巡回が難しい
・航空会社やカード会社等の運営するモバイルポイントサイトが少ない

上記のような状況下で、公式サイトではトラフィック動員の中心の拠点がキャリアメニューとなり、勝手サイトへの導線が限定される状況であった。キャリアメニューは PC における検索サイト以上の存在感があり、それぞれのカテゴリーの掲載順位はサイトへのトラフィックに最大の影響を及ぼす。

キャリアメニューの順位は、有料コンテンツの有効会員数や一定期間のユニークビジターなどのキャリアが決めた基準により決定される。小さな携帯電話端末の画面に掲載できるコンテンツには限りがある上、タイトル以外の説明情報を載せることもできないので、一覧性に限界があり、PC の検索結果以上に順位はトラフィックに影響を及ぼす。ユーザーは上位のサイトから順番に閲覧していく可能性が高いので、メニューの掲載順位が上位であればあるほどビジター数や会員登録数が増える正の循環となる。

当然、PC の検索エンジンにおける SEO 対策のようにキャリアメニューでの上位表示を実現するニーズは大きい。前述したとおり、PC の SEO 対策とは異なる手法、キャリアの独自の基準のランキング順位を(有る意味強引に)引き上げる手段が必要となる。例えば、キャリアの計測期間に集中して、キャリアの表示順位決定の基準となるアクションである、会員登録やユニークビジットの増大を実現するために、ポイントなどのインセンティンブをエンドユーザーに提供する。そのような施策を実現するための媒体を多数かかえる、もしくは自社で保有するアフィリエイト・サービス提供者が携帯アフィリエイトで売上を拡大することができた。

しかしながら、近年は高性能で通信速度が速く画面の大きい第三世代機種の普及やパケット通信料の定額制、検索サイトの普及(キャリアポータルを含む)、端末 ID の一般利用可能などにより、携帯電話端末と PC の機能、構造の差異が以前に比べて小さくなってきた。

実際に PC をメインとしている、物販や旅行などの EC サイトの携帯電話端末での売上も拡大しており、併せてアフィリエイトの取扱い額も拡大してきている。iPhone やアンドロイド携帯などのスマートフォンで表示される EC サイトは、スマートフォン用の専用サイトを用意していない場合には、PC 向けサイトが表示される、当然 Cookie も利用できるため、PC 用のアフィリエイトリンクが有効である。携帯電話端末の進化によって、PCとの差異が小さくなった結果、制限要因により発生した携帯アフィリエイトのガラパゴス市場は徐々に解消されつつあると言えよう。また、携帯電話端末には PC に無い、常時携帯という本質的な特性に加えて、カメラ、ビデオ、オーディオ、テレビ、GPS、FeliCa など各種機能をネットと連動することで、PC ではできないプラスアルファのビジネスモデルが創出される可能性を秘めている。次回はそれらのビジネスモデルの例を紹介したい。

記事提供:バリューコマース株式会社
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