E-コマース

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SEM とアフィリエイトどちらの費用対効果が高いか?

深谷良孝
2009年11月11日 / 11:20
 
SEM とアフィリエイトはどちらの費用対効果が高いかと質問を良く聞かされる。当たり前の話だがキーワードのクリック単価やクリックからの成約率により異なるというのが回答となる。

例えば(1)キーワードのクリック単価が30円でクリックからの成約率が2%の商材があれば、30円÷2%=1,500円が獲得単価となる。アフィリエイトの現実的な成果報酬が1,000円であれば、30%の ASP コミッションを加えても、アフィリエイトの方が費用対効果が高くなる。

アフィリエイト獲得単価1,300円<キーワード広告獲得単価1,500円

(2)キーワードのクリック単価が10円でクリックからの成約率が同様に2%であれば、10円÷2%=500円が獲得単価となり、キーワード広告の方が費用対効果が高くなる。

では、より低い単価で入札すれば良いかと言えば、ライバルもいるので、表示順位が下がり、1画面目で表示されなくなり、広告からの誘導が期待できなくなる。キーワード広告では、組み合わせによる絞込みや、ニッチなキーワードの発見により、低めのクリック単価でも成約率を高くすることが可能である。

キーワード広告の弱点というか、性質として、リーチの限界がある。あるキーワードに関心があり、実際に検索される数には限界があるということだ。キーワードの組み合わせによる絞込みや、ニッチなキーワードの検索数はさらに限られてくる。

一方、アフィリエイトの場合には、固定費として月額システム利用料が掛かるので一定規模以上の獲得件数がなければ、固定費が成果報酬を上回ることとなる。システム利用料を月額5万円とした場合、

100件の獲得5万円÷100=500円となり

(1)の例のアフィリエイトの獲得単価1,300円に1件あたりのシステム利用料500円を加えると、

獲得単価+1件あたりのシステム利用料1,800円>キーワード広告獲得単価1,500円

となってしまう。

従って、あまりにもニッチで予想される獲得件数が少ない商材の場合や、月額固定費を支払うことができない場合には、アフィリエイトを利用するより、キーワード広告を予算内で工夫して、費用対効果の高い運用をする方がお勧めである。

SEO についても、キーワード広告と同様に費用対効果を分析できる。自社内で SEO 対策を実施する場合、作業にかかる人件費は発生するものの外部への直接経費は発生しないが、外部の SEO コンサルティング業者に外注すれば、月額費用をそのキーワードでの獲得数で割ったものが獲得単価となる。月額のコンサルティング費用(例:10万円)で当該キーワードでの獲得数(例:100件)で割ったものが、SEO での獲得単価となる。

10万円÷100件=1,000円

こちらも、アフィリエイトと同様にあまりにもニッチなキーワードの場合には、オーガニックな検索数も少なく、上位表示されても獲得数が少ない場合には、結果として費用対効果が低くなる。

連載の第3回でサービス比較サイトや価格比較サイトのビジネスモデルについて、こちらの検索エンジンにおける評価は、中立的で網羅された情報の掲載によって、個別企業サイトより優位になり、検索エンジンで上位表示されることが多いと説明したが、これらのサイトは SEO 対策に傾注するのみであらず、積極的にキーワード広告を購入することがある。成果報酬しか得られないのに、何故リスクをとってキーワード広告を購入するか不思議に思われるだろうが、これらの情報サイトは個別企業がキーワード広告を購入する場合より、成約率が高くなることが多いからである。例えば“クレジットカード”というキーワードのケースで考察してみよう。

Aカード会社が“クレジットカード”キーワードを購入したランディングページにはAカード会社のカードラインアップしか掲載されない。

そのキーワードからの成約率はAカード会社の市場シェアにある係数を乗じたものになるだろう。当たり前だが、BカードやCカードに加入したい消費者は申し込まない。自動販売機にたとえるなら1種類の栄養ドリンクしか売っていない状態である。コーヒーやジュースを飲みたい消費者は利用しない。

一方カード比較サイトの場合には、複数のカード会社がサービスや費用などの特徴を一覧表示してあり、消費者の目的に合せて選択申込ができるようになっている。こちらは、大型の自動販売機でコーヒー・炭酸飲料・ジュースなどが複数、保温されているものまで、販売されている状態である。

Aカード会社単独の場合にはAカードの成約率
例:2%が獲得単価の係数となるのに対してクリック単価30円の場合には30円÷2%=1,500円

カード比較サイトの場合には、掲載してあるカード成約率の総和がサイトとして総合成約率となる。

Aカードの成約率2%+Bカードの成約率1.5%+Cカード成約率1.3%+Dカード成約率 1.2%+Eカード成約率1.0%

総合成約率を仮に5%とするとクリック単価30円の場合には30円÷5%=600円となる。

成功報酬が仮に1,000円であれば、1,000円−獲得単価600円=収益400円

となり、成約率の差による裁定取引(アービトレージ)により得られる収益が比較サイトの SEM におけるビジネスモデルとなる。総合成約率が高ければ、成功報酬が1,000円であれば、50円まで入札単価が上がっても採算割れにならないので入札においても単独サイトより優位となる。

1,000円×5%=50円

次回はアフィリエイトの SEM・SEO でのレバレッジ効果について説明する。

記事提供:バリューコマース株式会社
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