E-コマース

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ネットビジネスのリスク要因

佐藤 尚規
2003年5月27日 / 00:00
 
 個人商店がウェブサイトを開設して、これまで店頭でのみ取り扱っていた商品をネットで販売することは比較的簡単である。ローテクであれば、大儲けできる確率は相対的に低いかもしれないが、初期投資を含めたリスクも低い。

 極論すれば、店主が寝る時間を削ってウェブマスターを自分でやれば、外に出て行く費用をほとんどかけずに、ウェブサイトを運営することも可能である。店頭の売上に少しでもプラスできればいいと考えるなら、これも立派なネットビジネスの一形態であると思う。

 ところが、企業が本格的にネットビジネスに参入するとなると、コストがかさむこと以外にも、様々なリスク要因が発生する。

 どのようなリスクが存在するかを調べることは、それほど難しくない。

 アメリカの株式市場には数多くのネット関連企業が上場している。日本でも業界関係者ならみんな知っているメジャーな企業もあれば、アメリカでもあまり知られていないマイナーな企業まで、実にバラエティに富んでいる。一時期に比べると数は減っているものの、今でも新規に株式を公開する企業が後を絶たない。

 ディスクロージャー先進国であるアメリカでは、投資家向けに上場企業のデータは広く公開されている。特に参考になるのが、新規公開予定企業の目論見書に記載された「リスク要因」という項目である。今後の事業展開においてどのようなリスクが考えられるかを、こと細かに分析して公表している。もしも、公開後に目論見書に記載されていない要因で業績が悪化して株価が下がるようなことにでもなれば、株主から次々と訴えられるのは目にみえているからである。よって、「ここまで心配しなくてもいいんじゃないの」ということまで「可能性」として書いているのである。

 これを読めば、その業界がどのような問題に直面しているか一目瞭然である。アメリカのインターネット広告業界のことを知りたければ、ナスダックで公開を予定しているインターネット広告関連企業の目論見書を読めばいい。どんな理論書よりもインターネット広告業界のことがわかるだろう。

 しかし、現実問題として、多くの中堅・中小企業においては、少人数で多岐に渡る業務を担当するウェブマスターこそがリスク要因ではないだろうか。一人のウェブマスターが風邪で会社を休むと、予定されていたウェブの更新作業ができなくなった、というのは論外だろうが、ウェブマスターが長期欠席すれば業務に支障が生じるという企業も多いはずである。

 ウェブマスターの日常業務を、マニュアルという形で文書にまとめるべきかは別として、少なくともウェブマスターが普段使用しているツールをコンピュータで再現できるなど、最低限のナレッジ管理は必要だろう。幸い、ウェブマスターの業務のほとんどは、コンピュータ上で処理されるので、ナレッジの管理には適しているといえる。

 これらのことは、なにもウェブマスターに限ったことではないかもしれない。優秀な営業マンが他社に引き抜かれてしまい、売上が落ちるというケースもよく耳にする。しかし、ウェブマスターについては、ナレッジを上手に管理できていないと、他のスタッフが代行すらできずに業務がストップしてしまうという大きなリスクを抱えていることを忘れてはならない。一人のキーマンが転職してしまったら、ネット販売の数字が突然ガタ落ち、というのでは、リスク管理が全くできていなかったことを露呈するようなものだ。(記事提供:有限会社ピアニッシモ

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