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投資家が新興企業と発明にダメージを与える10の方法

Alex Genadinik
2010年9月7日 / 10:00
 
 
ベンチャーファンドやエンジェルファンドの出資を得て多くの企業が助けられてきたことは疑いもない事実だ。それにより、事業の運営が継続し、マーケティングやエンジニアリングのコストがカバーされ、会社にライフラインが供給され、事業が正しい方向へ進むための時間が与えられる。

それだけでなく、優れた投資家は業界内の適切なコネクションをタイムリーに紹介することで優れた会社になることを支援し、組織に非常に大きな好影響を与える。ベンチャーキャピタルなくして今のシリコンバレーは存在しなかっただろう。

残念ながら、投資家から出資を得て付き合っていくことには多くの欠点もある。多くの場合、投資家は起業家を自分の投資戦略全体における歩の駒のように考え、起業家を利用したり、存在とアドバイスで会社にダメージを残す。

今は事情が変わり、15年あるいは5年前との比較でも会社設立に必要なリソースは数十分の1に低下した。最近は、起業家の選択肢がかなり増えており、企業設立資金獲得の手段として出資を受けるときは以下のような潜在的欠点を考慮しなくてはならない。

1)出資を受けると将来の可能性が制限される

確かに負債だってそうだし、完全な資金枯渇もそうだが、大体の場合、投資家は創業者に大きな成功とシェアを追求させる。しかし、年間売上が50万ドル未満、10万ドル未満、あるいは5000ドル未満などという小さなニッチ市場も多い。投資家がそのようなビジネスに手を出すのは非常に珍しいが、パートナーが1〜2人ならば年間売上50万ドルでも、33%のシェアを保有し、好評価で売却できる可能性があれば十分にうれしい。

ところで、多くの優良企業は規模の小さいニッチ市場で大成功を収めるところから成長を遂げていき、そこからさらに大きいシェアを獲得していった。したがって、投資家が「電子商取引市場への参入」を求めるのは、その小さいニッチ市場は最初にシェアを獲得する必要があるということであり、「大当たりにつながる機会を提供する道具として君を利用したいが、おそらく君は失敗するだろうし、自分だったら君のように会社を経営しないだろう」 というのところが本音だろう。

フリーターでも、コンテンツサイトやブログだけで年間1〜5000ドルは簡単に稼げるだろう。そのような努力を賛美しても投資コミュニティーに利益はないが、起業家は大半の投資家が要求する巨大市場を追求し、自分に与えられたリソースに合致した最終目標を達成する必要がないことを十分に理解しなければならない。1人がパートタイムで働いても追加所得を得られるビジネスを立ち上げることはできるのだ。

2)巻き添え被害:投資家に力を入れすぎる起業家

大半の人はこれを結果論だと考えるが、これは大きな中心点であり要点であるはずだ。起業家は投資家のところに行って売り込みをかけるだけでも、多くの時間を費やして投資家とコンタクトをとり、紹介をしてもらい、ミーティングを準備して、ようやくプレゼンに出かける。

最高経営責任者(CEO)の時間の価値(費用ではない)が1時間あたり約100ドルだとすると、投資獲得のために1週間に10時間使えば、それは会社設立に向けた約1000ドルの投資になる。それに、その時の CEO は会社の役に立つようなことはほかに何もしておらず、ビジネスに役立つことは何も考えていないので、「巻き添え被害」が発生する。これはすべて、資金獲得に向けた設立チームによる事前投資ということになる。

肝に銘じておきたいのは、大半の企業が最終的には出資を得られないことだ。つまり、これは設立チームが負う大きなリスクなのだ。さらに、会社が出資を得たとしても、多くの場合は、起業家と投資家の両方に弁護士が必要になり、投資家の方が獲得したばかりの資金から裁判費用を捻出することが多い。注意されたい。

3)そもそも出資先探しが時間の無駄

これはとてつもない時間の無駄だ。さらに悪いのは、 出資を得るのは宝くじのようなものであることだ(メモ:宝くじはたいていは当たらない)。行き当たりばったりのことが多く、「面接してくれたベンチャー事業パートナーの食べた朝食が何だったか」とか「エンジェル投資家の政治趣向が自分と同じか」といった要因に完全に依存する。また、売り込むためにまとめた資料に対する投資家の反応もそれぞれ異なる。運試しなので、確率が500分の1ならば500人の投資家に売り込みをかければ出資を得られることになる。ミーティングのアポイントを取り、事後の質問に回答するなど、時間のかかる仕事だ。しかも、悪い連中は決して「ノー」と言わずに起業家をだまし続け、さらに彼らの時間を無駄にさせる。ところで、事業を成長させる賃金のための資金を探し回るよりも、その時間を事業を成長させるために使った方が良くないだろうか? 

4)製品を作ること以外に会社を集中させる

資金探しは CEO の集中力を削ぐ、 新興企業では、CEO にとって最も答えにくいものの1つが「会社がどの方向に向かっていて、自社をどのように明確に定義するのか? 」という質問であるためだ。もし CEO が「投資家の望み通りになる」とか「投資家が望むような形になれるよう努力する」などといったすり寄りを見せ始めたら問題だ。

また、会社が出資を受けると、出資者を喜ばせるために、顧客の需要ではなく、投資家の既存の需要を満足させるために何かを始めることがある。皮肉なことに、同じことが多くの公開企業にも当てはまる。これは、外部の短期的圧力が全般にかなりダメージを与えることを示している。

5)会社は堅牢になるより出資を受ける方向に誘導される

昔から、起業家にはアルファ製品を投入し、IT 関連のメディアで紹介され、そこで出資を得ることが目標になるという落とし穴がある。もし筆者が今日会社を設立していたら、この言葉を「財務的に自立することができる機会があり、ウイルス性の要素(リンクして、他人に勧めたくなるような何か)がある方向を選択して重要なニーズや問題を解決しなさい」とでも言い換えるだろう。もちろん、何かかが欠けている可能性も高いが、方向づけの本質は大丈夫だ。

6)投資家は食物連鎖の頂点にいるが、彼らは起業家の単なるツールになる必要がある

投資家にとってあまり話題にはならないが非常に重要な仕事が PR だ。そう、広報活動である。彼らは公の場では全員が魅惑的で、起業家を支援したいだけの優秀な人物たちだ。もしかしたら一部はそうかもしれないが、大半はできる限り多くの売り込み話を集めるために自分のことを周りに知らせなければならない。売り込みの大半はまともなものではなく、投資家は今後のビジネスの展望で自分が思い描くビジョンに合致する資質を複数見つけ出すために多くの人々と会う必要がある。したがって 起業家が会社作りに追われる一方で投資家は起業家が訪ねて来てくれるよう PR にいそしんでおり、その結果として階層が出来上がる。多くの起業家は資金を求めて投資家のもとを訪れ、投資家の方は知名度とコントロールを持っている。

しかし、起業家がいなければ投資家の居場所もない。CEO は投資家への依存度を減らし、だれかの生活を良くする堅実なビジネスの構築に重点を置く必要がある。起業家が成功するには、優れた企業を設立する目標に自分のエネルギーをすべて集中させるしか方法はない。そして、もしそうすれば、おかしなことではあるが、投資家の方から来てくれるだろう。

7)拒絶や不愉快な投資家とのミーティングによる負のエネルギー

これが営業ルートの1つであるために出資を求めてもかなり頻繁に拒絶され、自分が今していることには未来が見えない、などと他人から言われることを覚えておきたい。正直なところ、拒絶を個人的に受け取るなと激励された後でも、このような拒絶に多少は自信がくじかれるのではないだろうか? この負のエネルギーは新興企業をたたきのめす可能性がある。投資家は気の毒に思うだろうか? 自分がかかわった新興企業が破綻したこととその理由を知れば3分くらいはそう思うかもしれない。しかし、自分の奉仕活動が勢いやパートナーを失ったのは、拒絶されて信頼を失ったからだということをあなたは忘れないだろう。恐れを知らず、自分と同じ信念を持ち、同じ目標を実現可能と考える人々に囲まれている方が格段に良い。思い違いもあるかもしれないし、起業家にとって必要なものもあるだろう。しかし、この戦いで成功しようというのであるなら確信を持つ必要がある。

8)出資後に企業を悪く言う愚かで質の低い投資家が多すぎる

インターネットは面白い場所で、ほかの場所でもうけた多くの人々が、この市場に参入したいと考えている。彼らの知識はさほどでもなく、いかにハイテクでクールになるのかといった話をする新興企業に2万〜10万ドルをすぐに投資する。Google は気をつけるか、早く彼らを買収したい。そのような投資を行う人は「愚かな金」と呼ばれる。彼らがバカだからではない。実際のところ、彼らはほかの業界で既に成功を収めており、多くの場合優秀だ。しかし、ウェブ関連にだけ精通していないのだ。だから資金をすぐに投じて、2〜6か月も我慢して、新興企業が息切れするのを見てから結果を求めてくる。

さらに悪いのは、これらの人々には、やはり次の Google へ投資したがる裕福な友人も多い。しばらくすれば、このような人々が大挙して指示を出し、CEO が堅実なビジネスを構築するのではなく、パニックを起こして彼らを喜ばせるようなことをするようにしている。

裕福な投資家に電話をかけて「われわれのファンドに有限で出資すれば、資金を増やすよ」などとうまく言ってくるベンチャーキャピタルという企業ははさらに悪い場合もある。彼らは自分たちが獲得した資金を投じる良い企業の選別程度なら大丈夫だ。最後になるが、彼らには経営状況の改善に向けて企業を支援するとか、アドバイスを提供するとか、コネを紹介するとかいう準備は全くできていない。

9)大半が支配権を握りたがるのに実際には間接的に得た理論上の知識しかない

多くの場合、投資家は過去に他の分野で起業を成功させ、今度はそこを「卒業」して「現場の物事」に対して自分たちより新しい見解を持つほかのところに投資することになった人々だ。それでも良いが、多くの投資家には大きなエゴがあり、単純に物事に対する見解を持っているだけであることを簡単には認めない。彼らの多くは包括的で正しい見解を持っていると信じているのだ。さらに、起業家が彼らに同意しなければ簡単かもしれない。

投資家と起業家が本質的に協調関係にあれば良いが、起業家より知識があると考える投資家は、会社として良くないと思われる方向へと無理に向かわせて新興企業にダメージを与える可能性がある。実際、投資家は多くの企業に出資する傾向があるため、その会社のメリットにならない可能性のある特定の方向に関心を持っている場合がある。

さらに、起業家が管理する立場にあってミスを犯してもあまり切羽詰まらない。起業家はだれしもミスを犯す。なかには成功するまでにかなり多くのミスを犯す起業家もいる。最後にうまくできるかもしれないが、できなければプロジェクトは破綻する。投資家が入ってくると、自動的に設立チームの代理経営陣としての寿命がストップウォッチでセットされる。これまで多くの起業家が名乗りを上げてきたが、悪い結末が生じたて経営をあきらめる危険を察知し、後悔するばかりだった。

残念ながら、新しい人材が会社を救うケースはまれだ。創業者を追い出し、散々いじくり回して同様に追い出されるまで給料をもらうだけの MBA 取得者などの経営者タイプと交替させれば価値が高まるのだと考えるほど多くの投資家はだまされている。

10)誤解される成功の概念

大半の人々は、増資自体が成功だと考える、確かに、「有名」投資家があなたに投資し、あなたのアイデアを信じていて、あなたは多くの人材を確保する機会に恵まれ、成功への道を歩んでいる。実際、これはちょっとした障害にもなり得る。増資は宝くじだ。幸運をつかむ人もいるかもしれない。銀行口座に資金があることはうれしいが、大丈夫だという誤った感覚を与え、起業家をリラックスさせ、反復と生産性を全体に減速させるためダメージを与える場合もある。
 
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