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ストレージネットワーキングの基礎: SAN接続サーバーを構成する

Charlie Schluting
2008年2月5日 / 10:00
 
 

はじめに

 ホストを新しいSANに接続するのは、単体のディスクや直接接続式のSCSIアレイを接続するのとは訳が違います。本稿では、現在ベストプラクティスとされている方法の背景について解説し、ストレージをどう構成すれば最適な信頼性が得られるかを説明します。

SAN接続サーバーの構成

 ご存じのように、DAS(Direct Attached Storage)方式のアレイは、ストレージの世界を初めて経験する人向きです。DAS方式ではアレイ自体にLUNが設定され、その操作をホストレベルで行う必要があります。ストレージの規模が拡大すると、システム管理者はストレージをきちんと使えるように維持し、信頼性を保つために、いろいろ気を配らなければならなくなります。また、以前は20GBのLUN10個を10個の異なるパーティションに割り当てればどうにか間に合いましたが、もはや200GB程度ではストレージと呼ぶに値しません。

 まず、ファイルシステムについて検討する前に、やっておくべきことがあります。ファイルシステムの作成の前に以下の作業を行わねばなりません。

  1. アレイを構成し、ホストにLUNを割り当てる(過去の記事を参照)。
  2. 光ファイバケーブル(各カードから1本)を、異なるファブリック内にある2つのスイッチに接続する。
  3. 両方のスイッチを、イニシエータとターゲットが相互に見えるようにゾーン化する。
  4. すべてのLUNが見えることを確認する。
  5. マルチパスを構成する(パスフェイルオーバー)。

 オペレーティングシステムとディスクアレイの組み合わせによっては、最後のステップは慎重に扱う必要があります。これについては後ほど触れます。

 光ファイバケーブルの接続について、改めて説明する必要はないでしょう。異なるファブリック内のストレージへの個別の「パス」を維持するという考え方を理解していれば、特に問題はないはずです。スイッチをゾーン化するためにはそれなりの知識が必要ですが、ゾーン化はベンダに大きく依存します。Brocade、McData、Ciscoなど、ベンダによってスイッチの実装はかなり違っています。しかし、基本的な考え方は同じです。要はゾーン化の方法を決め、その構成を適用すればよいわけです。

 この段階で、サーバー上の新しいLUNが「見える」ようになるはずです。Windowsの場合は、ディスクマネージャを開くと新しいボリュームが現れます(再起動が必要との報告もあり)。Linuxの場合は、少なくとも最新バージョンなら、新しいLUNが直ちに発見されます。Solarisの場合は、'cfgadm'とおそらく'devfsadm'を実行する必要があり、これで新しいLUNが見えるようになります。

 ストレージへのパスが1つしかなければ、やることはほとんどありません。後はファイルシステムを作成するだけです。しかし、SAN接続ホストの大部分はLUNへのパスを2つ持つようになっており、ホストはターゲットごとに同じLUNを2度見ることになります。ストレージアレイは2つのインターフェースを持つので、2つのターゲットが実際に存在します。そこで、同一のボリュームが存在するという事実をホストに知らせる必要があります。

マルチパス構成

 マルチパス構成とはホストベースのドライバにアレイサポートを組み込んだもので、ストレージアレイへの接続を多重化する機能を持ちます。たとえば、見えているすべてのLUNにファイルシステムを作成しようとする場合、もし各LUNを個別にマウントしようとしたら、ディスクアレイは悲鳴を上げるでしょう。アレイ上には「プライマリコントローラ」というものが定義されており、優先パスを前もって「落とす」ことをせずにイニシエータがプライマリ以外のターゲット上のLUNにアクセスしようとした場合、アレイは自らを保護します。これは非常に単純ながら、検討に値する方法です。

 以前推奨したように、LUNをコントローラごとに1つずつ交互に割り当てるように構成した場合、ホストは半数のLUNを利用できるようになります。つまり、ファイルシステムを作成し、各LUNを利用できます(ただし、ホストの優先コントローラを介してのみの利用となります)。この構成の唯一の効果は、コントローラまたはスイッチが故障したときに、半数のボリュームが消滅するだけで済むという点です。我々が本当に実現したいのは、デバイスのパスを抽象化し、抽象化されたデバイスをマウントすることです。マルチパスデバイスノードを使うと、実際のデバイスがランダムに消滅しても、ドライバとストレージアレイが正しく動作している限り、オペレーティングシステムはマウントされたディスクデバイスの消滅を意識せずに済みます。

 実際にマルチパスを構成するのは簡単です。手間を省きたければ、Veritas Volume ManagerをDMP(Dynamic MultiPathing)と共に使うとよいでしょう。これはすべてのオペレーティングシステムで動作し、どの場合でも同じ処理をしてくれます。プラットフォーム間でボリュームを移動するとき、オペレーティングシステムに依存しないファイルシステムを使えるというおまけもあります。

 DMPを使えなくても2つの選択肢があります。第1は、ストレージの製造元からドライバを手に入れることです。購入したアレイが現在のオペレーティングシステムをサポートしていれば、ベンダ提供ドライバをインストールするだけでうまく動く可能性があります。ドライバが提供されていない場合は、OSに含まれるネイティブなマルチパスドライバを試すとよいでしょう。

 たとえば、マルチパス構成のサポートという点でSolarisは非常に優れています。Sunが認めるストレージでは確実に動作しますが、一部のストレージではうまく動作しないこともあります。これは一種の賭です。できれば、この点を入念に下調べした上でアレイを購入することをお勧めします。

 マルチパスを構成すると、ワンセットのデバイスが自由に使えるようになります。実際のデバイスが抽象化されたら、物理的なパスではなく、マルチパスのデバイスノードを使用していることを確認するとよいでしょう。

 いよいよ佳境です。次に、ファイルシステムのレイアウトを設計して実装します。ここはどこまでも慎重であるべきです。ボリュームマネージャがVeritasやZFSのように柔軟であるからといって、判断を間違うと、まだ窮地に追い込まれる可能性があるからです。これらの判断は用途に大きく左右されるので、じっくり考えろという以上のことは言えません。たいていの人は複数のLUNをまとめてストライプ化して、より大きなファイルシステムを作成しようと考えるものです。ただし、あまり大きすぎると適正な時間内でバックアップできないので限界はあります。ファイルシステムが大きすぎるということは、損傷の修復にひどく時間がかかる可能性があることも意味します。

 もちろん、スイッチやアレイの設定情報をどこか安全な場所に保管し、マルチパス構成とファイルシステムに関して行った判断を文書化しておくことも忘れてはなりません。マルチパス構成の醍醐味はテスト段階で感じることができます。早速、巨大なファイルをコピーし、ファイバチャネルを酷使してみましょう!

要約

  1. 手順: アレイを構成する、スイッチを構成する、マルチパスを設定する。
  2. 理想を言えば、すべてのホストで同じマルチパスソリューションを使うこと。次策として、ベンダ提供ドライバを試してみる。それがだめならOSネイティブのソリューションを使う。
  3. ボリュームマネージャの操作とファイルシステムの作成はサイトに大きく依存するが、やはりプラットフォームが違っても一貫していることが望ましい。

著者紹介

Charlie Schluting(Charlie Schluting)
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