MSの「OneDrive」騒動にため息―くるくる容量が変わるサービスは困りもの
OneDriveはExcelやWordとも組み合わせて使いやすく、便利なのだが

インターネット上に写真や動画、書類を保存し、いつでも取り出したりシェアしたりできるオンラインストレージ。いくつかある中でもMicrosoft(MS)の運営する「OneDrive」は使いやすくてかなり便利だ。でも保存できるデータ容量がくるくる変わるのはいただけない。

最近、MSが物議をかもす発表をした。OneDriveの無料版は2016年初旬にも使える容量が15GBから5GBに減り、有料版のうち容量無制限だったプランは1TBに変わる、というのだ。

さっそく米国などでは「我々のストレージを返せ」という抗議が沸き起こり、結局MSは2016年1月末までに申し込みをした人に限り、無料版の容量15GBを残すと約束した。手続き方法はMSの公式ブログに載っているので参考にされたい。

さて複数のニュースサイトが、MSのサービス改悪や、抗議した人の「勝利」を報じている。

だが随分前からオンラインストレージを利用している人は、ため息が出るのではないか。

OneDriveがまだSkyDriveという名前だったころ、無料版には25GBの容量があったのだ。ところがMSは2012年に「ほとんどの人がそんなに容量を使っていない」という理由で7GBに減らしてしまった。2014年には7GBから15GBに増やしたが、今回また5GBに減らすと言い出し、次は申し込みをした人は15GBのままにするというのだ。

とはいえ容量がくるくる変わるのはOneDriveだけではない。月額10ドル、容量無制限をうたって2013年に登場したBitcasaも2014年には早くも1TBの上限を設けるなど、オンラインストレージのプラン変更は日常茶飯事だ。そもそもサービスそのものがあっさり終了してしまうことも珍しくない。有料版だとしても安心はできない。

なるほどオンラインストレージは便利だが、こういう状況が続くようなら、やはり自宅に保存したデータを外出先から利用できるNASや、セキュリティの懸念があっても大量のデータを持ち歩けるポータブルHDD・SSDなどは手放せないという気もする。