2015年のアドテクノロジーのトレンドを占うレポートが、Econsaltancy×Adobe、Salesforce、Razorfish、IBM、Accentureなど各社から発行された。

いずれのレポートにおいても、以下の7点がキーワードとして浮かび上がってくる。

1. モバイル (スマートフォン、スマートデバイス)
2. ジオターゲティング
3. カスタマー・エクスペリエンス(カスタマージャーニー)
4. オムニチャネル(※広義のアトリビューション)
5. パーソナライゼーション
6. ソーシャルメディア
7. メールマーケティング

本コラムでは変化の激しいデジタルマーケティングの業界において、それぞれのキーワードをどのように捉え、対応していくべきかを解説していく。日本よりも進みの速い海外のアドテクノロジー領域に関するレポートを読み解いて現状を把握することで、事業会社のマーケティング担当者及び広告代理店にとっても有益な、今後の日本市場における注目すべき重要トレンドがみえてくる。また、それによりマーケティング担当者に今後必要とされるスキルも予測できるだろう。

■ 1. モバイル(スマートフォンなどのスマートデバイス)
〜生活に欠かせない存在になりつつあるスマートフォン〜

図1にもあるように、国内でのスマートフォン普及率は平成25年時点でも62.6%に達し、パソコンの所有率(81.7%)に迫る勢いとなっている。

2015年後半に注目すべきアドテクノロジー7大キーワードとは?
図1:主な情報通信機器の世帯保有状況(平成20年〜平成25年)
(出典:「平成25年通信利用動向調査の結果」、総務省)

モバイルが重要視されている理由は、主に下記の3点である。

1.モバイル広告勢力の拡大(図2参照)
2.E-mailマーケティングにおける重要性拡大(E-mail閲覧デバイスとしての存在感の高まりによる)
3.O2O(オンラインからオフラインへ、オフラインからオンラインへ)やロケーションベース配信におけるモバイルの必要性増加(ジオターゲティングでのモバイルGPS機能の重要性増による)

図2:モバイルキャンペーンの普及度と効果
図2:モバイルキャンペーンの普及度と効果
(出典:「2015年市場調査レポート」、Salesforce)

また、PCとほぼ同じ割合でスマートフォンからソーシャルメディアへのアクセスも増えている(図3参照)。これはスマートフォンが起点となって様々なコミュニケーションや検索行動が起きていることを意味する。このように、スマートフォンは顧客の行動を分析する上で無視できない存在になってきていることが読み取れる。

いつでも持ち歩き可能なデバイスであるスマートフォンの普及が進んだことで、マーケティング担当者は、特定地域をターゲットにするジオターゲティングや、ユーザーがメールにアクセスできる配信時間などを考慮した上で、キャンペーン設計をすることが重要になってきた。従来の視点とは異なる分析視点を持つ必要が出てきた、といえるだろう。

図3:全国ソーシャルメディアユーザー1000人調査、第3回・分析結果報告
図3:全国ソーシャルメディアユーザー1000人調査、第3回・分析結果報告
(出典:博報堂DYグループ ソーシャルメディア・マーケティングセンター)

■ 2. ジオターゲティング
〜ジオターゲティングによって進むiBeaconの活用〜

ジオターゲティングとは、アクセス中の携帯電話のIPアドレスやネットワーク上のユーザー情報などから、ユーザーの地理上の現在位置を特定・推定し、地域を絞って広告を配信するための手法である。

前項でも触れたように、ジオターゲティングにおいてスマートフォンは欠かせない存在となっている。

例えば、現在主流のジオターゲティングの手法として、GPS機能とiOS7に標準搭載されているiBeacon(※)が活用されている。

※iBeaconとは、2013年にアップルが発表した、iPhone/iPad /iPod touch(iOS端末)に搭載された機能。「Beacon(ビーコン)」と呼ばれる電波を受信することで、数10cm〜数10mという範囲(精度)でBeaconの発信器の位置を特定・確認できる機能・サービスのこと。(出典:iPhone/iPadで使える「iBeacon」とは?、@IT)

現状では全アップル関連商品に搭載されているiBeaconが圧倒的な普及率を誇るが、2014年にはAmazon CloudFrontがリリースされるなど、今後はAndroidへの搭載も進むだろう。また、将来的にはジオターゲティングは何らかのウェアラブルデバイスを取り込んでいくことが予想される。

国内でもiBeaconの活用は徐々に進んでおり、JR東日本、JAL、京セラドームなどでも活用が開始されている。

例えば、京セラドームでは、近くにいるビールの売り子を呼び出せるアプリ「野球場 NAVI」が導入されている。これは、iBeaconの機能を利用して、自分の座席位置近くにいるビールの売り子にプッシュ通信で知らせ、スムーズな購入を促進するアプリである。

画像:野球場NAVI
画像:野球場NAVI

また、東京駅構内においては「東京駅構内ナビ」というアプリが提供されている。駅構内に160個配置されたiBeaconを基に、広くて迷いがちな東京駅構内で、現在自分がどこにいるのか、目的のホームへはどのように向かえば良いかなどを分かりやすくナビゲートしてくれる。自動的に検出された現在位置を基に、ユーザーがスムーズに目的地に向かうことができるアプリとなっている。

画像:東京駅構内ナビ
画像:東京駅構内ナビ

様々なシーンにおいて活用が進むiBeaconは、現状実験的な段階にあるが、今後アプリの開発およびiBeaconの設置場所拡大とともに、普及が進むと考えられる。

ジオターゲティングの活用そのものは各国のマーケティング担当者が検討を始めている段階にある(図4参照)。マーケティング担当者が、2016年以降どのように取り組んでいくべきか念頭におく必要のあるテクノロジーのひとつといえるだろう。

図4:ジオターゲティング活用検討部門
図4:ジオターゲティング活用検討部門
(出典:「Digital Trends 2015」、Econsultancy×Adobe)

■ 3. カスタマー・エクスペリエンス(カスタマージャーニー)
〜カスタマー・エクスペリエンスに必須のマーケティング・オートメーションツール(マーケティング自動化ツール)〜

カスタマー・エクスペリエンス(顧客体験)とは、「顧客ライフサイクルにおいて顧客がブランドに関して行うすべての交流の結果として形成される、顧客とブランドの関係に関する顧客の意識的および無意識的な認識」と定義されている(参照元:「カスタマー・エクスペリエンス管理 概要と重要性」、SAS)

カスタマー・エクスペリエンスは年々重要性を増している。インターネットやスマートフォンなどのデジタルデバイスとそれらの計測ツールの登場により、様々な接触ポイントごとの顧客の動きやライフサイクルを追うことができるようになったこともその一因と言えるだろう。

CRMツールやマーケティング・オートメーションツールなど、主に事業会社が活用している顧客行動計測ツールは多くあり、マーケティング・オートメーションツールで代表的なものとしては「Adobe Marketing Cloud」「IBM Enterprise Marketing Management」「Oracle Marketing Cloud」「Salesforce Marketing Cloud」「Marketo」「SAS Customer Intelligence」などが挙げられる。

マーケティング・オートメーションツールは全体を俯瞰して個々の顧客へのタッチポイントを最適化しエンゲージメントを強化するのに非常に有益なツールである。しかし導入費用の金額の高さに加え、導入時には営業部・マーケティング部・宣伝部・情報システム部門など関連部署が複数にまたがることから、導入ハードルが高く、かなり潤沢な広告予算とマーケティング予算を持った大企業が現在の利用企業の中心と考えられる。

そのような背景を受け、現在マーケティング担当者から重要視される傾向にあるのは、モバイルアプリケーション計測ツールやマーケティング計測ツールである(図5参照)。

図5:カスタマー・エクスペリエンス計測に有効なテクノロジーは?
図5:カスタマー・エクスペリエンス計測に有効なテクノロジーは?
(出典:「2015年市場調査レポート」、Salesforce)

スマートフォンの普及が進む中、モバイルアプリケーションの計測が重要視されることは自然な流れだが、今後広告代理店が事業会社の課題解決に向き合う際には、ひとつひとつのデバイス別の分断された行動計測が必要になる。更に、計測にとどまらず、カスタマーエクスペリエンス全体を俯瞰し、分析し、課題解決するまでの一連の能力が求められるようになるだろう。

マーケティング・オートメーションツールやマーケティング計測ツールで実践可能な、オンラインとオフラインを含む多岐に渡るタッチポイントでの顧客行動をつぶさに分析することが必要である。更に、顧客ごとの個別最適を考慮の上、様々なタッチポイントにおいて一貫したブランドメッセージやブランド体験を届けられる広告プランニングを考案していくこと、それらが重要なポイントとなるのではないだろうか(図6参照)。

図6:カスタマー・エクスペリエンスで重要視する点は?
図6:カスタマー・エクスペリエンスで重要視する点は?
(出典:「Digital Trends 2015」、Econsultancy×Adobe)

マーケティング・オートメーションツールの導入ハードルは高いという現状もあるだろうが、顧客行動や嗜好が複雑化している背景に伴い、いち早く導入を検討し、全体最適化を図る第一歩を踏み出されることをお勧めしたい。

■ 4. オムニチャネル(※広義のアトリビューション)
〜オンラインからオフラインへ、広がるアトリビューション〜

近年、マルチチャネルという言葉に代わり、マーケティング担当者の間では「オムニチャネル」という言葉が使われることが多い。

「オムニチャネル」とは、O2O、実店舗、オンラインショッピングサイトなどの販売チャネル、更に流通チャネルを統合したすべての販売チャネルにおいて、顧客が時間・場所問わず商品を購入できるような環境を整えることである。

現在、顧客が接触する販売チャネルは、実店舗、オンラインショッピングサイト、TVショッピング、カタログ通販、ソーシャルメディアなど複数存在している。更に、スマートフォンが普及したことによって、顧客は好きなタイミングで商品を購入できる状況にある。

顧客の行動タイプが「店舗で実際に商品を見て店員と話し、詳細を知ってからオンラインで安く購入する」、「オンラインで購入して、店舗で受け取る」など様々なパターンがある。行動タイプが複雑化し、オンラインとオフラインを分断された別個の販売チャネルとして考えることは難しくなってきている(参照元:業務改革のススメ 〜顧客志向の会社が強くなる〜 第ニ回:これからは「個客」中心のマーケティング、オムニチャネル戦略、Salesforce)

各チャネルを横断した顧客の行動をトラッキングすることは、今後ますます重要性を増すと考えられており(図7参照)、昨今大手企業によるマーケティングアトリビューション企業の買収のニュースが増えてくるだろう(参照元:MarketShare Tunes Into Data And Attribution, Acquires DataSong、MediaPost)。
 
図7:今後数年デジタルマーケティングで重要視すべきこと
図7:今後数年デジタルマーケティングで重要視すべきこと
(出典:「Digital Trends 2015」、Econsultancy×Adobe)

「アトリビューション」という言葉が日本に登場した2011年頃、当時はWeb広告(主にバナー広告)の間接効果をどのように計測し、間接効果を持つ広告価値をいかに語るか、といった意味合いで使用されていた。しかし現在では、その意味に変化がみられる。

GoogleのAdometry 、AOLのConvertroに始まり、MarketShareのDataSong、Rakuten MarketingのDC Storm、AppNexusのAlentyなど、各企業がマーケティングアトリビューション企業を買収後、いずれも自社の解析プラットフォームとの統合を進めている。アトリビューションはオンライン、オフライン、各種媒体、マルチチャネルに個別に対応した分析ではなく、全体を統合し俯瞰した分析手法に成長しつつある。

このように、かつてミクロで語られていたアトリビューションが、マクロな領域へと変貌するに伴い、オムニチャネルでの顧客の購買設計が進んでいくと考えられる。近い将来、全体を俯瞰的にみたアトリビューション分析が必要不可欠となる頃には、事業会社における社内部門間の調整、もしくは部門を越え共同で分析に取り組み購買設計全体の最適化を図ることが重要課題となるだろう。

■ 5. パーソナライゼーション
〜パーソナライゼーションを基にした広告設計の重要性〜

パーソナライゼーションはマーケティング担当者が頻繁に目にする、ここ数年のトレンドキーワードの1つではないだろうか。

パーソナライゼーションとは、顧客のオンライン上の購買や行動履歴を基に、より顧客の興味関心に沿った広告配信・広告設計をおこなう手法である。

2015年、マーケティング担当者にとって重要な項目と回答された上位3位は「ターゲティング&パーソナライゼーション」「コンテンツ最適化」「ソーシャルメディア・エンゲージメント」である(図8参照)。

図8:2015年、あなたの組織にとって重要なマーケティング要素上位3位は?
図8:2015年、あなたの組織にとって重要なマーケティング要素上位3位は?
(出典:「Digital Trends 2015」、Econsultancy×Adobe)

また、今後5年内で重要視されている項目の中にも「パーソナライゼーション」が含まれている。その他、「カスタマー・エクスペリエンス」「マルチチャネル・キャンペーンマネジメント」「マーケティング・オートメーション」「ロケーションベース・サービス」が挙がっている(図9参照)。

図9:重要視すべき項目比較(2015年・今後5年)
図9:重要視すべき項目比較(2015年・今後5年)
(出典:「Digital Trends 2015」、Econsultancy×Adobe)

パーソナライゼーションは以前までの“オンライン上の個別最適化”という個別のマーケティング手法としての取り組みではなく、全チャネルにおけるカスタマー・エクスペリエンスと紐付けて考慮すべき手法になりつつあると考えられる。

なぜなら、かつてはオンラインショップと実店舗は明確に分かれており、CRMデータ(顧客の購買履歴や問い合わせ内容などのデータ)もオンラインショップと実店舗のものが統合されずにいる状況が多くみられた。現在では、会員番号で紐付を行い、CRMデータはオンライン・実店舗で統合されており、顧客の購買履歴や接触ポイントも俯瞰して計測ができるようになったからである。

また、スマートフォンが普及したことによって、顧客は実店舗にいながらオンラインにアクセスすることも可能になったため、オンラインとオフラインの境界線はどんどん曖昧なものになっている。これまではオンライン上の顧客行動に紐付くデータから得られた情報を分析していればよかったわけだが、前項「4. オムニチャネル」でも述べたように、オンラインとオフラインの境界が曖昧になり、オフラインも含めたオムニチャネル型の広告キャンペーンを設計する必要が出てきたことも理由のひとつだ。

アメリカでは、アトリビューションツールによってテレビCM放送データとインターネットの検索広告クエリを連動させ、マスメディアとオンラインを横断的にトラッキングし、テレビCMの広告効果の計測を行う試みも既に開始されている(参照元:GoogleがTVアトリビューションの機能を強化、Unyoo.jp)。

これらの動きからみても、前項「4. オムニチャネル」でも述べたように、アトリビューションはオンライン、オフライン、各種媒体、マルチチャネルに個別に対応した分析ではなく、全体を統合し俯瞰した分析手法に成長しつつあると言える。パーソナライゼーションもまた、より広い領域での個別最適化が進んでいくと考えられるのではないだろうか。

パーソナライゼーションは、Web広告最適化のために特にデジタルマーケティングを担う広告代理店が注力してきた手法である。今後マーケティング担当者や広告プランニング担当者は、Web広告以外の領域で顧客行動にどういったアクションや興味関心が起きているのかを広く分析し、より深く想像力を働かせる能力が求められるようになるだろう。

■ 6. ソーシャルメディア
〜注力されるソーシャルメディア広告〜

ソーシャルメディアの利用率は日本国内において、主に10代から30代の間で50%を超える状況にあり、顧客への接触ポイントとして無視できない存在になっている(図10参照)。

図10:ソーシャルメディアの利用動向
図10:ソーシャルメディアの利用動向
(出典:「平成25年通信利用動向調査の結果」、総務省)

このことから、ソーシャルメディアはマーケティング担当者にとっても注力領域となってきており、ソーシャルメディアへの割当予算も年々増加傾向にあると同時にその効果も実感されている様子がみられる(図11〜図13参照)。

図11:予算を増やす分野 上位5つ
図11:予算を増やす分野 上位5つ
(出典:「2015年市場調査レポート」、Salesforce)

図12:ソーシャルメディアマーケティングがビジネスに与えている影響
図12:ソーシャルメディアマーケティングがビジネスに与えている影響
(出典:「2015年市場調査レポート」、Salesforce)

図13:利用されているソーシャルメディアネットワークチャネルとその効果
図13:利用されているソーシャルメディアネットワークチャネルとその効果
(出典:「2015年市場調査レポート」、Salesforce)

ソーシャルメディアの主な利用目的は個人の楽しみであるため、広告掲載はプライベートな空間を妨げない配慮が必要である。また、顧客のニーズや興味関心に沿ったパーソナライゼーション化を深めることで、エンゲージメント率が高まり、顧客と広告主の双方にとってWin-Winとなる広告出稿が可能になるだろう。

ここでも鍵となるのは、前述の「パーソナライゼーション」と「モバイル」であることを覚えておいて欲しい。

■ 7. メールマーケティング
〜配信時間を重視すべきメールマーケティング〜

メールマーケティングはスマートフォンの登場以降、顧客がいつでも受信トレイを持ち運べるようになったことから一層重要性が高まっている(出典:「2015年市場調査レポート」Salesforce)。

マーケティング担当者へのアンケートでは、2014年と比較して「メールは自社の製品やサービスを実現する重要な要因の1つである」という回答が60%にのぼっており、カスタマー・エクスペリエンスに不可欠なタッチポイントとして認識されている(図14参照)。

図14:メールが貴社のビジネスにとって重要なのはなぜですか?
図14:メールが貴社のビジネスにとって重要なのはなぜですか?
(出典:「2015年市場調査レポート」Salesforce)

図15をみると、各種メールマーケティングキャンペーンにおいて、モバイルオプトインメール(事前に顧客の承認を得て広告を配信するメール形式)は非常に効果が高いものと認識されている。しかし現状では企業の利用率は低いため、効果計測をおこないながら、利用率と効果のバランスを鑑みた質の高いメールマーケティングキャンペーンを実施していく必要があると読み取れる。

図15:メールマーケティングキャンペーンの利用率とその効果
図15:メールマーケティングキャンペーンの利用率とその効果
(出典:「2015年市場調査レポート」Salesforce)

モバイルオプトインメールに着目している理由は、ジオターゲティングと連動した店舗の近くに顧客が来た際にプッシュメールを配信する、といったサービスが現在高い効果を上げているためである。

メールマーケティングがROI(Return on Investment:投資対効果)を生んでいるか、という質問に対しても74%のマーケティング担当者が効果を実感していると回答している(図16参照)。

図16:メールマーケティングはROIを生んでいますか?
図16:メールマーケティングはROIを生んでいますか?
(出典:「2015年市場調査レポート」Salesforce)

顧客がメールを開封するデバイスがPCからスマートフォン・タブレットなどに移行してきていることから、マーケティング担当者は従来のPCでのメールマーケティングキャンペーンと異なった配信時間、デザイン、配信内容などを新たに設計していくべきだろう。

■ まとめ
〜全体を俯瞰したキャンペーン設計の重要性〜

さて、ここまで7項目に渡る「2015年アドテクノロジートレンド」について言及してきたが、いずれの項目も独立したものではなく、それぞれが複合的に絡み合っていることをお分かりいただけただろうか。

カスタマー・エクスペリエンスにおいて、マーケティング担当者が今後注目していくべき領域は、PC・スマートフォン・タブレットなどの各種デバイス、O2Oの販売チャネル、接触メディア、ジオターゲティングなどのテクノロジーと広きに渡る(図17)。

図17:マーケティング担当者が今後注目すべき領域マップ
図17:マーケティング担当者が今後注目すべき領域マップ
(出典:株式会社アイレップ)

これは全編通して述べてきたことだが、デジタルマーケティングの領域がオンライン上のみならず、オフラインを含めた全体を俯瞰した上でターゲット別に顧客行動を分析する必要性を意味している。更に言えば、より顧客に沿った広告を提供するなど、適切なパーソナライゼーションを仕掛けていく必要が出てきたことを表していると言える。

扱うデータ量は年々増加の一途を辿っているが、マーケティング担当者がよりマクロな視点を持って顧客に向き合うことにより、顧客にとってもより最適で快適なマーケティング戦略を実施できるようになると考えられる。

執筆:株式会社アイレップ  グローバル事業戦略本部 石渡久美子
記事提供:アイレップ