LINE は、無料メッセージ/通話アプリケーション「LINE」の iOS/Android アプリケーション上で、モバイル送金/決済サービス「LINE Pay」の提供を開始した。銀行口座情報をやり取りすることなく LINE ユーザー間で送金処理が行えるほか、提携店舗/通販サイトでの決済にも利用可能なサービスだ。送金や送金依頼、LINE Pay 口座への入金(チャージ)には手数料が発生しない。LINE Pay 口座からの出金時のみ手数料200円(税抜き)が徴収される。

モバイル送金/決済サービス「LINE Pay」登場、LINE 友だちとの割り勘などで便利
LINE でモバイル送金/決済サービス「LINE Pay」を開始

LINE Pay は、LINE の友だちのあいだでお金をやり取りできる、スマートフォンを使うモバイル送金サービス。相手の銀行口座といった情報を知る必要がなく、スマートフォンの OS や契約キャリアとは無関係に、LINE アプリケーションだけで送金が行える。

送金機能に加え、友だちに送金をお願いする「送金依頼機能」も備える。さらに、両機能を組み合わせて活用した、忘年会などの会費を“割り勘”機能も用意されている。これは、受け取る合計金額を入力し、送金を依頼する LINE ユーザーを友だちのなかから指定すると、均等割りされた金額の送金依頼が自動的に対象者へ送られる機能だ。宴会の幹事などには便利だろう。送金、送金依頼、割り勘は、手数料無料で行える。

送金機能
送金機能

送金依頼機能
送金依頼機能

割り勘機能
割り勘機能

送金されたお金は、送金先 LINE ユーザーの LINE Pay 口座に入金される。同口座のお金は、日本全国ほぼ全ての銀行の口座から出金できるそうだ。出金時には200円(税抜き)の手数料が取られる。そのため、入金されるたびに出金するよりも、ある程度の金額がたまってからまとめて出金した方が手数料を節約できる。

さらに LINE Pay は、購入した商品やサービスの代金を店舗や通販サイトに支払える決済機能も提供する。支払いを行うユーザー側は、店舗/通販サイトに個別の利用登録を行わずモバイル決済が行える。店舗/通販サイト側は、LINE Pay 決済サービスを導入すればクレジットカード情報を求めず代金を受け取れる。加盟店に課せられる手数料は、導入から2年間は月間決済額100万円までなら無料。100万円超えた分については物販が3.45%、デジタル コンテンツが5.5%。

ただし、現時点で LINE Pay 決済が利用可能なサービスは「LINE ウェブストア」だけ。段階的に LINE が提供するサービス「LINE WOW」「LINE TAXI」などへ対象を拡げつつ、導入店舗向けサービスサイトの開設、加盟店/サイト/アプリケーションの募集を始める。

LINE Pay の決済機能を使うには、あらかじめ LINE Pay 口座に入金(チャージ)しておくか、クレジットカードを登録しておく必要がある。チャージは、銀行口座振替、コンビニエンスストアでの入金、電子決済サービス「Pay-easy(ペイジー)」を利用して、手数料無料で行える。

銀行口座振替に対応するのは、みずほ銀行および三井住友銀行のネット口座振替サービス。コンビニ入金は、サークルKサンクス、セイコーマート、ファミリーマート、ミニストップ、ローソンの店頭端末が利用可能。決済用に登録できるクレジットカードは、American Express、Diners Club、JCB、MasterCard、Visa。

なお、LINE Pay を利用するには、LINE 自体のパスワードとは異なる専用パスワードを使う。これにより、LINE サービスが第三者に不正ログイン(乗っ取り)されたとしても、LINE Pay は悪用されないとしている。

LINE Pay の各種機能
LINE Pay の各種機能