東芝は、太陽光エネルギーで二酸化炭素と水から炭素化合物を生成する、人工光合成技術を開発した。太陽光の利用効率に優れた多接合半導体と、二酸化炭素と水の化学反応を促進する金ナノ触媒を用い、炭素化合物への変換効率で世界最高の1.5%を達成した。

東芝、世界最高の効率で二酸化炭素から炭素化合物を生成する技術を開発
開発技術の概要

光利用効率の高い可視光を吸収する多接合半導体と、ナノサイズの構造制御技術を適用した金ナノ触媒を用いることで、燃料の原料となる一酸化炭素への変換を世界最高の1.5%の効率で達成した。ナノメートルオーダーの金ナノ触媒の作製条件を検討することで、二酸化炭素を一酸化炭素に変換する活性サイトを増加させ、さらに電解液も工夫し、効率を向上させた。

地球温暖化と化石燃料の枯渇を解決する手段として、エネルギー変換効率が高い人工光合成技術への期待が高まっている。今後、さらに触媒活性を高めることで変換効率を向上させ、2020年代の実用化を目指す。