経済産業省は「中韓文献翻訳・検索システム」の試行版を開始した。これにより、中国/韓国語の特許文献を日本語で検索できるようになる。特許庁でも、特許庁情報システムの開発計画である「特許庁業務・システム最適化計画」に沿ってシステム開発を進めているが、経産省のシステムの構築も、同計画に基づくもの。

世界の特許文献において、中国・韓国語の特許文献をはじめとする日本語以外の言語で記載された外国特許文献の割合が増加している状況に対応するため、中国・韓国語の特許文献の検索環境の整備を最優先で進めている。その一環として、「特許庁業務・システム最適化計画」に基づき、中韓文献翻訳・検索システムを2015年1月に稼働する予定。

経産省、「中韓文献翻訳・検索システム」試行版を提供開始
世界の特許文献

このシステムでは、中国/韓国語の特許文献を日本語に機械翻訳して蓄積することにより、日本語でこれらの文献の全文を検索できるようにした。クラウド上に構築されており、インターネットを介して、審査官のみならず、一般人も利用できる。

検索の対象となる文献は、中国特許出願公開公報/中国特許公報/中国実用新案登録公報/韓国特許出願公開公報/韓国特許公報/韓国実用新案公開公報/韓国実用新案登録公報。本格稼働時には、約1,000万件の文献を蓄積するそうだ。

本格稼働後も順次蓄積範囲を拡大し、各国における文献の公開から翻訳文の閲覧/検索ができるようになるまでの期間を短縮していく予定。