知的財産高等裁判所は、客の依頼を受けて書籍などのスキャンを代行する「自炊代行サービス」が著作権侵害に当たるかどうかを争う控訴審で、業者側に複製の差し止めと70万円の賠償金支払いを命じる一審の判決を支持した。一審に引き続き、原告側の全面勝訴となる。

同裁判は、浅田次郎さんら作家/漫画家7名が、書籍スキャン事業者らを被告として、著作者の許諾がないスキャン事業が著作権侵害にあたることを理由に、侵害行為の差し止めなどを求める訴えを2012年11月27日に東京地裁に提起したもの。一審は2013年9月と10月に原告の訴えを認める判決を出していたが、被告らの一部が控訴していた。自炊代行事業は、現行法の「私的複製」の例外規定では許容されず、著作権者の許諾が必要であるという見解が有力だ。

控訴審判決を受け、原告弁護団は、「無許諾の書籍スキャン事業は違法であり、事業には権利者の許諾と公正なルールの順守が必要となる旨、第一審判決に続き、地財交際での本判決においても明確に示されたことには大きな意義があると考える」とコメントしている。

原告側は、スキャン事業者は判決を重く受け止め、著作者の同意を得られないスキャン事業を直ちに取りやめ、著作者も納得できる公正なルール作りを真剣に検討することを求めるなどとしている。