イラスト SNS「pixiv」は、ユーザーの中から漫画家を発掘し、作品を世界に発信する「MANGA pixiv」を開始した。「comico」「マンガボックス」などの台頭で活性化する独自電子コミックの市場に本格参入する。

イラスト SNS「pixiv」、漫画家を発掘、電子コミックを世界に配信
MANGA pixiv

電子コミック市場では、漫画雑誌など紙媒体をデジタル化して配信するサービスと、独自作品を配信するサービスがそれぞれ台頭している。pixiv はこれまで、出版社と連携して紙媒体のデジタル化サービス「pixiv コミック」を手掛けつつ、独自作品配信の大手として知られる comico とも連携し、作家の発掘や宣伝を手伝ってきた。

特に comico との連携は興味深いものだった。そもそも誰でも自由にイラストや漫画を投稿できる pixiv は、プロ、アマチュアを問わず多くのクリエイターが作品宣伝や交流の場として利用し、そのファンも参加している。ユーザー層は電子コミックの描き手としても読み手としても期待できた。

しかし今回、pixiv はさらに一歩踏み込み、自ら作家を発掘し、pixiv コミックを通じて配信を始めた。

MANGA pixiv は先述の pixiv コミックが取り扱う新たな漫画雑誌のような位置づけになっている。掲載作品の第1弾として、 pixiv が実施した漫画賞「MANGA pixiv大賞」で大賞を受賞したジライケン氏の「WILDCARD(ワイルドカード)」が登場している。さらにイラストレーターのうえむら氏、漫画家の小林銅蟲氏の作品も配信している。

興味深いのは、配信する電子コミックに多言語に対応させ、日本のみならず世界に配信する点。海外展開は、comico なども力を入れている分野。今後の動向が注目される。