日本気象協会は、全国・都道府県別の2015年春の花粉(スギ・ヒノキ、北海道はシラカバ)飛散予測(第1報)を発表した。また、詳細な情報を、「2015年春の花粉総飛散数 予測資料」として販売する。この予測は、今夏の気象条件などをもとに作成したもので、今後の花芽調査などのデータをもとに内容を更新する予定。

花粉の飛散数の多い年と少ない年は交互に現れる傾向がある。前年(2014年)は、西日本の一部を除き、全国的に花粉の飛散数は例年並みか例年より少なかった。

2015年は飛散数の少ない年(2014年)の翌年にあたるが、高温・多照・少雨などの花芽が多く形成される夏の気象条件が揃ったところは少なく、特に九州や中国、四国は花芽の形成にとっては悪条件となったため、例年を大幅に上回ることはない見込み。しかし、前年の飛散数に比べると、東京では2倍以上、大阪は、およそ1.5倍になると予想されている。

前年に比べると東京や大阪は1.5倍以上に!―2015年春の花粉飛散予測(第1報)
前年に比べると東京や大阪は1.5倍以上に!
―2015年春の花粉飛散予測(第1報)

2015年春のスギおよびヒノキ花粉(北海度はシラカバ)の総飛散数は、九州と中国・四国のほとんどの地域では例年を下回ると予想されている。近畿から北海道にかけては例年並みのところが多い見込み。前年(2014年)の飛散数に比べると、九州と中国・四国は少ないところがほとんどになるという。

ただし、近畿から東北にかけては前年の飛散数が少なかったため前年よりも多く、特に関東や東北では非常に多くなるところがある見込み。北海道は前年並みの飛散数になる見込み。

花粉の飛散数は夏の気象条件が大きく影響する。一般に気温が高く、日照時間が多く、雨の少ない夏は花芽が多く形成され、翌春の花粉の飛散数は多くなる。2014年の夏は、太平洋高気圧の西への張り出しが弱く、「平成26年8月豪雨」の影響を受け、「北暑西冷」だった。気温は、北海道から中国・四国にかけては平年並みか高く、四国や九州では低かった。日照時間は、北海道から関東は平年並みか多かったが、東海から西は少なくなった。降水量は、平年を上回ったところが多く、特に、北海道や西日本の太平洋側では顕著だった。