ディスプレイ広告を実施する際、「費用対効果が全然見合わない」「価格の安い代理店から発注する」「ディスプレイ広告って何のためにやるの」という声を広告主の立場の方から聞いたことはないだろうか。

媒体社のディスプレイ広告在庫が RTB(Real Time Bidding:リアルタイム入札)方式に移行している状況下において、これまでの広告「枠・面」ごとへの配信から、ユーザーの行動履歴やセグメントを基に、より適切にターゲティング可能な「人」への配信に変わってきている。どのような「人」に配信するのか、言い換えれば「どういったターゲットをセグメントすれば最適で効率的なディスプレイ広告を出稿できるのか」が重要性を増し、それに伴い、価格や広告配信先だけではなく、あらゆるデータを活用した広告プランニングや評価手法が必要となってきた。

効果的なディスプレイ広告を実施するためには、事前のプランニングが重要だ。プランニングには様々な手法があるが、今回はデータを活用した手法を紹介したい。

● プランニングの主な流れ

(1)自社 Web サイトの訪問者の属性・ライフスタイルを把握
(2)自社 Web サイトの訪問者の Web サイト内行動データを把握
(3)競合他社も同じ方法で分析し、自社と競合他社のユーザー層を比較・分析
(4)自社ターゲットにマッチした広告メニューの選定

まず、(1)自社 Web サイトの訪問者の「年齢層」「性別」「家族構成」の属性や、「子どもがいる場合は子どもの年齢」「世帯年収」「既婚率」等のライフスタイルを把握しよう。

次に、(2)「セッション数」「直帰率」「コンバージョン(CVs)ページへの到達率」などの、自社 Web サイトの訪問者の Web サイト内行動データを把握する。自社分析ができたら、(3)競合他社も同じ方法で分析を行い、自社と競合他社のユーザー層を比較したい。比較することにより、ターゲットユーザーの年齢や性別といったデモグラフィック属性だけでなく、ライフスタイルの違いなどもより細分化され、ユーザーの違いも分かるようになるだろう。それにより、想定した競合他社は、実際は競合他社とはいえないことが判明することもある。また、自社 Web サイトと競合他社の利用重複率を見ることで、予想外の競合他社を発見できるかもしれない。

さらに、自社 Web サイトの「直帰率」や「CVsページへの到達率」を競合他社と比較すると、Web サイトの見直しが可能になる。複数の競合他社の直帰率平均値と比較して、自社 Web サイトの直帰率が高い場合は、流入ユーザーのモチベーションと自社 Web サイト内コンテンツとのミスマッチが考えられるため、Web サイト内コンテンツの変更が推奨される。

このように、自社分析と競合分析を行うと、マーケットデータを活用した広告プランニングの際に必要なターゲット選定、訴求内容の策定、更にはコンテンツの構築が可能になる。下記のような第三者機関が提供しているパネル調査データを使った ASP ツールを利用すると、マーケットデータを把握できるようになる。

株式会社マクロミル ブランドデータバンク
株式会社ヴァリューズ

分析比較が完了したら、(4)次に自社のターゲットに合った広告メニューを選定しよう。様々な広告メニュー、ターゲットに合わせたセグメントが行えるため、自社のペルソナユーザーの構成比率が高い広告メニューを選定するのが望ましい。

自社ターゲットに合致した広告メニューを選定する際の例として、主婦の構成割合が高い大手レシピサイトの広告面へ配信できるディスプレイ広告は、「既婚者」のターゲティングに適しているといえる。また、Yahoo! JAPAN のプレミアム広告「ブランドパネル」(Yahoo! JAPAN トップページのディスプレイ広告)においては、年齢×性別のデモグラフィックターゲティングを行った場合でも、多くのユーザーにリーチすることが可能だ。

このように、マーケットデータを活用し、ターゲットユーザーのニーズを知り、広告効果の改善と最適な広告配信を目指してはいかがだろう。仮説を立ててディスプレイ広告を配信することで、今以上に効果的なディスプレイ広告の配信・効果検証が実現できるのではないだろうか。

執筆:株式会社アイレップ 第1コミュニケーション本部 水谷公輔
記事提供:アイレップ