日立は、英国のロンドンに原子力技術の研究開発拠点「欧州原子力研究センタ」(European Nuclear Research Center:ENRC)を9月30日に開設する。

日立は、今回設立する ENRC を通して、英国をはじめとした欧州の大学と共同研究を行い、欧州がこれまで蓄積してきた先進技術と日立の BWR(Boiling Water Reactor:沸騰水型原子炉)技術を融合し、より安全で高効率の原子力技術を開発する。

具体的には、作業員の放射線被ばく量を低減する技術や、原子力プラントの稼働率を高める技術を開発することで、BWR 設計への適用をめざすとともに、中長期課題である廃棄物量の削減や、原子力施設の廃炉コスト低減にも取り組む。

英国では、1956年に西側諸国初の原子力発電所とされるコールダーホール原子力発電所の商業運転以来、原子力発電所の建設、予防保全、廃炉などさまざまなノウハウや技術を培ってきた。特に、英国の原子力発電所を支えてきた研究開発では、大学を中心に材料や計測技術など、基盤研究に強みを持っており、廃棄物処理や廃炉に関する研究開発が積極的に行われている。

日立は、ENRC の設立に向けて、2014年4月から、原子力施設内で作業する作業員の放射線被ばく量を低減する技術に関する共同研究を、マンチェスター大学と開始している。さらに、2012年11月に買収した英国 Horizon Nuclear Power の新規原子力発電所建設プロジェクトでは、2014年8月末に ABWR(Advanced Boiling Water Reactor:改良型沸騰水型原子炉)の包括的設計審査(GDA:Generic Design Assessment)が第3段階に進んでいる。

また、リトアニア共和国で建設が計画されているビサギナス原子力発電所建設プロジェクトの事業会社設立の協議開始に関して、2014年7月末にリトアニア政府エネルギー省と合意するなど、欧州の原子力発電における社会インフラの発展に取り組んでいる。