スマートフォン、タブレット端末の普及拡大も相まって、ソーシャルメディアの利用者は年々増加している。世界的に利用される Facebook のユーザーは、すでに12億人以上といわれ、日本国内でも月間アクティブユーザーは2,000万人を超える規模に成長している。そうした背景もあり、インターネット広告市場でも Facebook の存在は日々拡大している。

このコラムでは、CPC(Cost Per Click:クリック単価)の高い Facebook 広告で効率良く成果をあげるために知っておきたい、Facebook 広告ならではの特徴と、より多くのユーザー流入を取り込み、かつファンや CV(Conversion:コンバージョン)を増やすための“勝ちバナー”広告の制作ポイントについてお話ししたい。

ところで、“勝ちバナー”とは、一体どういったものだろうか。

それは、CTR(Click Through Rate:クリック率)と CVR(Conversion Rate:コンバージョン率)を掛け合わせた際に、数値が高く評価されたバナー広告である。流入が多いだけでも、“勝ちバナー”とは言えない。同様に、今後も購入の可能性のあるファンや、CV を増やすために CVR を上昇させることは重要だが、それだけでも“勝ちバナー”にはなれない。ファンや CV 増加のために、その母数を増やすための流入増加も欠かせない。

このように、CTR と CVR の両方を上昇させるバナー、それがここで述べる“勝ちバナー”である。

“勝ちバナー”広告を作るためのポイントは下記3点である。

(1)画像選び
(2)企業色を出しすぎない広告アプローチ
(3)広告トライアルの継続

Facebook 広告と一般的な Web サイトのバナー広告との大きな違いは、画像内に入る文字面積が画像全体の20%以内でなければならない、という入稿規定があることだ。

通常のバナー広告の場合、文字量の制限はないため、キャッチコピーの訴求内容や配置などの見せ方が非常に重要になるが、Facebook 広告では文字でのアピール方法に限界があるため、画像の重要性が増してくる。

また、フィード内に広告を掲載する場合、画像のサイズが一般的なバナー広告よりも大きく、特にスマートフォンでは広告表示が画面の3分の1近くを占めることになるため、イメージの良し悪しが広告効果を大きく左右するといえる。

2点目のポイントは、Facebook 広告はユーザーのプライベートな投稿の中に表示されるため、広告の競合がユーザーの「友達」となることだ。ユーザーのプライベートな空間に広告表示されるので、企業色の濃い広告は敬遠される傾向にある。

そのため、いかにも広告と分かるものよりも、プライベートな投稿に合わせた広告アプローチが大切になる。生活に関連するものや、季節的な内容を盛り込むこと、また、利用シーンを想起させるものなどが表現できると良いだろう。ある新作映画を PR する際にも、映画公開日や内容などには触れず、映画のキャラクターのみを使用したクリエイティブのイメージ戦略が功を奏し、19万以上の「いいね!」を獲得した例もある。

結果的に実際の映画動員数増加につながったこの例は、適切な年齢層や性別等にターゲティングしたこともさることながら、キャラクターの魅力をアピールすることに振り切った、企業色の薄い広告戦略が当たった好例といえる。「友達」の投稿にトーンを合わせながらも、その中に埋もれてしまわない、アイキャッチなクリエイティブ制作を心掛けることも重要なポイントである。

最後のポイントとして、トライアルを頻繁に行っていくことが重要だ。バナー広告での AB テストは一般的だが、Facebook 広告の場合、通常より枚数も頻度も増やし、一度に4から5枚を掲載して、2週間から1か月以内に定期的に差し替えることをお勧めしたい。

Facebook 広告の場合、クリエイティブを作りこまなくても「面白い!」とユーザーに思わせる内容であれば、広告効果は圧倒的に高まる。質の高い画像やキャッチコピーの制作に時間をかけるよりも、配色を変えるだけでも良いので定期的にクリエイティブを変更し、継続してその成果を追うことが重要である。

ここまで Facebook 広告の特徴と、実際に Facebook のバナー制作を手掛ける際の手法を述べてきた。Facebook に広告出稿を行う際の一助となれば幸いである。以上のポイントを踏まえて、ぜひその企業ならではの“勝ちバナー”広告を制作してほしい。

執筆:株式会社アイレップ 第3コミュニケーション本部 日和?久美子
記事提供:アイレップ