日立キャピタルと日立製作所は、共同出資で設立した日立ウィンドパワーを通じて、秋田県秋田市新屋町に、秋田天秤野風力発電所を建設する。同発電所は、日立製作所が秋田県より約1万8,000平方メートルの県有地を賃借し、建設するもので、敷地内に風況観測のための風況ポールを設置し、性能確認などを行う試験場としても活用する。

日立が秋田市に風力発電所を建設、東北電力に売電
「HTW2.1-80A」イメージ写真

日立製作所では、風の強い地域でも発電できる高風速対応2.1MW ダウンウィンド型風力発電システム「HTW2.1-80A」1基の建設を、本年度下期中から同発電所で開始し、2015年度上期中に竣工させる予定。発電出力は約 2.0MW、年間予想発電電力量は約 5,700MWh で、一般家庭約1,600世帯分の年間使用量に相当する。発電した電力は、固定価格買取制度により、全量を東北電力に売電する。

今回建設予定の「HTW2.1-80A」は、世界でも厳しい環境である日本の風土にも適した高風速対応機として開発したもので、同発電所が初号機となる。発電機の制御方法を変更し、定格出力を2.1MW まで引き上げた。強度については IEC 風速クラスIA に準拠しており、極値10分平均風速55m/s まで耐えられる設計となっている。

また、電力系統が安定に運転しているなかで、系統事故や負荷の変動などにより電圧/潮流/周波数が乱れた際に、運転を継続できる機能がある。同発電所の建設予定地は、海岸から約500m 離れており、風況がよく、近隣には住居もないため周辺に与える影響も少なく、初号機の性能評価などの試験を行うには適しているという。