カーナビゲーションシステムの富士通テンは、「ITS European Congress 2014」で行われた緊急通報システムの実証実験に、緊急通報対応仕様のテレマティクスコントロールユニットを提供し、欧州の「eCall」とロシアの「ERA-GLONASS」、それぞれの緊急通報システムの互換性を実証した。欧州域とロシア国内で同時にデモンストレーションを行うのは世界で初めて。

富士通テン、欧州/ロシア2拠点同時の緊急通報システム実証実験に成功
緊急通報システムのイメージ
eCall とは、自動車事故発生時に、車両に搭載された IVS(In Vehicle System)が手動あるいは自動で緊急通報を発呼し、音声ならびに車両情報(位置、車の向き、ナンバー、車種など)を GSM ネットワークを介して緊急通報センターに伝え、救命率の向上を目指すシステム。ERA-GLONASS とは、ロシアの衛星測位システムを利用した、ロシア版の緊急通報システム。

自動車事故に即応するため、新型車に対する緊急通報システム(欧州では eCall、ロシアでは ERA-GLONASS)搭載の義務化を、欧州では欧州委員会(EC)が勧告し、ロシアでは2015年から導入する予定。通信方式は、欧州における携帯電話用無線方式である GSM が用いられ、制度施行に向けて、2011年から欧州諸国を対象に実地検証プロジェクトが展開されている。